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「逆イールド」で悪化した投資家心理

2019/03/25 09:27

「ムードが変わった」

3月11日の週は、押し目買いが優勢で、投資家がアメリカ経済を楽観しているようにみえました。先週はその逆。アメリカ経済が減速するどころか、年内にもリセッション(景気後退)入りするのではないかとの懸念さえ生まれました。

先週の最大の材料はFRBの金融政策を決める会合(FOMC)でした。予想通り政策金利の誘導目標2.25 〜2.50%を据え置きました。保有資産の縮小ペースを5月に減速、9月末に終了することも決めました。これもほぼ想定内。

声明は去年12月と比べ、急激に方針転換したと思えるほど非常にハト派でした。同時に公表されたFOMCメンバーの予想分布を図式化したドットチャート(もしくはドットプロット)では、年内は利上げがなく、来年2020年は1回の利上げがあることを示唆しました。

FOMC後に記者会見したパウエル議長は「予想以上に経済が減速している」と述べました。

FRBがハト派に傾く場合、株価が上昇するケースが多いのですが、FOMCの結果が発表された20日は下落しました。翌21日に戻したのですが、22日に急反落しました。

22日に発表された景気の先行指標とされるドイツの製造業PMI(購買担当者景気指数)が市場予想に反して低下。ユーロ圏全体のPMIも景況感の悪化を示しました。アメリカのPMIも弱かった。

欧米の弱いPMIを受け、ドイツの10年債利回りがマイナス圏に低下。アメリカでは「逆イールド」現象が起きました。米10年物国債の利回りが2.417%まで低下し、3カ月物の利回り2.455%を下回りました。長短金利の逆転は、投資家が将来、景気が悪化すると予想していることを示唆するもの。「逆イールド」現象発生の約1年後に景気後退したことが過去に複数回ありました。

景気が悪くなると企業の業績と見通しが悪化する。懸念が広がり、ダウは22日の取引で460ポイント下げました。この日の安値で引ける悪いパターンでした。

ダウは週間ベースでも下落しました。346ポイント、率にして1.34%安。S&P500は0.77%下げて1週間の取引を終えました。ナスダックは0.60%安でした。

「LyftのIPO」

今週のニューヨーク株式マーケットでは、引き続き米国債の利回りをにらんだ動きが予想されます。「逆イールド」現象が続くかどうか。経済指標にも反応しそう。

アップルのイベント(月曜日)、アドビとKBホームズの決算(火曜日)も注目。金曜日には配車サービスのLyftがナスダックでのIPO(新規株式公開)を予定しています。

 [March 24, 2019 NY 144]   

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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