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2ヵ月で11%上がった米株

2019/03/04 10:24

「先週はまちまち」

先週のニューヨーク株式マーケットはまちまちでした。ダウは週間ベースでほぼ横ばい。0.02%安と、10週間ぶりに下げました。S&P500は0.39%高、ナスダックは0.90%上昇しました。

先週金曜日から3月相場。1月と2月の2ヵ月でダウは11.1%高、S&P500も11.1%上昇。バロンズによりますと、2010年10月以来の高い「2ヵ月ベース」上昇率を記録しました。

株価を最も支えたとされるのが、FRBのハト派への転換。1月末の会合で、利上げサイクルを休止し、「中立」スタンスを示しました。パウエル議長は先週、上下両院での証言で、政策金利に中立であることを強調しました。保有資産の縮小について年内に終了する方針であることを明らかにしました。

今後株価がどう動くかは、FRBの金融政策次第との指摘があります。先週発表された米国の2018年第4四半期のGDPは予想を上回りました。一方で、ISM製造業景況感指数は予想に届きませんでした。景気減速を示す経済指標が増えつつありますが、労働市場は依然として堅調です。

米中貿易協議の行方も株価に影響することが予想されます。トランプ大統領はポジティブなツイートを連発していますが、交渉担当のライトハイザー通商代表は「まだ多くの課題がある」と慎重でした。

「雇用統計に注目」

今週のニューヨーク株式マーケットの最大の材料とされるのが、労働省が8日に発表する2月の雇用統計です。堅調な雇用が継続するか、賃金の持続的上昇が確認できるか。

2月の雇用統計について、1月25日まで続いた政府機関の一部閉鎖の影響が残っている可能性が指摘されています。今年第1四半期のGDPは1%程度の成長にとどまり、第2四半期は伸びが加速するとの予想が優勢。それを探る上でも雇用統計が注目されています。今週は、新築住宅販売のデータやFRBの地区連銀経済報告(ベージュブック)なども発表されます。

5日にはボストン連銀のローゼングレン総裁、6日にはニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁とクリーブランド連銀のメスター総裁の講演や発言機会があります。8日には、パウエル議長が「金融政策の正常化」と題した講演を予定しています。

「弾劾の兆し」

ニューヨーク州選出の民主党のナドラー下院議員の発言が週末に報じられました。トランプ大統領が司法妨害をしているというもの。ナドラー議員は、下院の司法委員会の委員長です。

先週は、トランプ大統領の元顧問弁護士であるマイケル・コーエン氏に対する長時間の議会証言が注目されました。コーエン氏は、トランプ大統領を「嘘つきで詐欺師だ」と呼びました。トランプ大統領の不正に関し、公になっていない新事実があることも示唆しました。

コーエン氏は今週も議会に呼ばれています。同時に、下院の司法委員会がホワイトハウス、司法省、トランプ大統領の会社の60人に対し書類提出を求める方針をナドラー議員が明らかにしました。ワシントンポストは、トランプ大統領の弾劾につながる可能性があると解説しました。

トランプ大統領が抵抗することは必至です。ワシントンの混乱が続けば、株価に影響する可能性があります。

 [March 03, 2019 NY 141]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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