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NY株こう着、政治で動くか

2019/02/12 09:41

「ダウ、7週連続上昇」

11日のニューヨーク株式相場はまちまちでした。ダウは53ポイント安。S&P500とナスダックは小幅高でした。米中の貿易をめぐる協議を控え、方向感に欠ける展開でした。

先週のニューヨーク株式マーケットは材料が豊富でした。

5日夜のトランプ大統領の一般教書演説は、民主党との融和と対立を織り交ぜた内容。サプライズはありませんでした。

米中の貿易をめぐる協議が期待ほど進んでいないことが表面化しました。3月1日までに貿易協議で合意しなければ、トランプ政権は中国製品の関税を10%から25%へ引き上げる構え。米中首脳会談による解決が期待されましたが、トランプ大統領は「習近平国家主席と期限前に会うことはない」とコメントしました。国家経済会議のクドロー委員長は「合意から程遠い状況」だとの見解を示しました。

先週は、世界経済の減速への懸念が再燃しました。EUの欧州委員会がイタリア、ドイツ、フランスなど主要国の2019年の経済成長見通しを大幅に下方修正。ほぼ同じタイミングで、イングランド銀行(中銀)がイギリスの成長見通しを引き下げました。

米中貿易協議の不透明感と世界経済の減速懸念が影響し、株式相場が一時軟化しましたが、去年12月のように大きく崩れることはありませんでした。

ダウは先週1週間で42ポイント、率にして0.17%上昇しました。ダウは7週連続で上昇しました。

S&P500は0.05%高。先週木曜日の取引で、S&P500が一時1.6%下落する局面もありましたが、終盤に急速に下げ幅を縮めたことが注目されました。ナスダックはやや上下に振れましたが、週間ベースでは0.47%上昇しました。

べスポック・インベストメント・グループのファウンダーは、「軟調に始まり、取引終了間際に「スマートマネー」が入り堅調に終わるパターンは、ブル(強気)相場の典型だ」とバロンズにコメントしました。

「決算、CPI、米中貿易協議」

ニューヨーク株式マーケットは、今週も主要企業の決算発表が材料となります。

コカコーラ、ペプシ、シスコシステムズなどが四半期決算の発表を予定しています。

アメリカの経済指標では、13日発表の1月の消費者物価指数が材料視されています。ガソリン価格が低下傾向にありますが、一方で食料品の価格が上昇しています。FRBが利上げサイクルを停止することを示唆する中、インフレ動向が金融政策をめぐる思惑に影響しそうです。

政治問題も引き続き投資家心理に影響する可能性があります。ムニューシン財務長官とライトハイザー通商代表部代表が今週北京入り、中国と協議を行います。米中貿易協議をめぐるトランプ大統領の不規則発言も相場に影響するかもしれません。

2月15日に暫定予算が切れるのを前に、連邦議会の与野党の駆け引きも注目されています。メキシコ国境の壁の建設を拒否する民主党と壁に固執するトランプ大統領。妥協案で合意しなければ、政府機関の一部が再び閉鎖される可能性があります。

「国境警備強化と移民問題」

国境警備強化と不法移民問題に関して連邦議会の超党派の17人が週末に集中的に協議しました。11日までの合意を目指していましたが、合意には至っていません。

不法入国したメキシコ人などを強制送還する問題で民主党が妥協せず、交渉を複雑にしたと報じられました。交渉が行き詰まり、委員会での協議がストップしたそうです。トランプ大統領が求める壁建設の予算57億米ドルの一部を容認する方向に動いていましたが、白紙に戻ったようです。

主要メディアが大きく報じていて、交渉難航が今週のニューヨーク株式相場の下げ要因になる可能性があります。米中協議と合わせ、今週後半は政治が材料になるとみられます。

[February 11, 2019 NY 138]   

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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