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NY株主要3指数、調整領域入り

2018/12/17 10:40

「1年前と違う」


ニューヨーク株式相場は先週末に再び大きく崩れました。ダウは500ポイント近く下げました。ダウ、S&P500、ナスダックの主要な3つの株価指数はいずれも調整領域に入りました。「調整局面」とは、上昇の勢いがなくなり、下落トレンドを迎える可能性がある踊り場にあるということです。


バロンズは1年前と状況が大きく異なると解説しました。去年の今ごろ、ファンドマネジャーらが指標にしているS&P500は20%近く上昇し、その勢いは新年も続くと誰もが楽観的でした。期待通り、ニューヨーク株式相場は1月29日までの1ヵ月で5%超上昇しました。


今年はどうか。S&P500は今月初めから5.8%安い水準にあります。個人投資家の心理が悪化、2013年4月以来で最も弱気に振れたとの分析があります。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによると、先週だけで390億米ドル(約4兆4000億円)の資金が株式マーケットから流出しました。


ただ、バロンズは、マーケットへの打撃はそれほど強くないと解説しました。ダウは年間ベースで2.5%安、S&P500は2.8%しか下がっていないとしています。ナスダックは年初水準と比べ0.1%高い水準にあります。いずれの指標もテクニカル的に調整領域に入ったものの、ベア(弱気)相場に本格的に入るかはまだ判断できません。


「FRBの動向を注視」


今週のニューヨーク株式マーケットで最大の材料になりそうなのが18日と19日に開かれるFRBの金融政策を決める会合(FOMC)です。会合2日目の19日に、0.25%の利上げが発表されることがほぼ確実視されています。


問題は声明と会合後のパウエル議長の記者会見のトーン。来年以降の利上げペースに慎重な見方を示すか。マーケット関係者が注目しています。


FRBが同時に公表するFOMCメンバーの経済・金利見通しが相場を動かしそうです。9月時点では「来年3回の利上げ」が中央値でしたが、それが2回あるいはそれ未満に見通しが変わるか。利上げペースの大幅な鈍化、もしくは慎重な予想であれば、株価を下支えするとの見方が優勢です。


アメリカの経済指標では、金曜日発表の耐久財受注と個人消費支出などが注目です。米中の貿易をめぐる協議の行方も引き続き材料視されています。


「政府閉鎖めぐる攻防」


今週前半から半ばまではFRBの金融政策をめぐる思惑、観測が株価に影響するとみられますが、週後半はホワイトハウスと議会の攻防が材料になる可能性があります。


アメリカ連邦政府の2019会計年度が10月に始まりましたが、まだ7つの省庁の予算は成立していません。議会は先に「つなぎ予算」を可決しましたが、期限は21日に切れます。期限までに全ての予算が成立しない場合、政府機関の一部が閉鎖されることになります。


問題は「メキシコとの国境の壁」を建設する予算です。トランプ大統領が主張する50億米ドル(約5650億円)と与党・共和党が提示した予算に大きな隔たりがあります。民主党は、国境警備の強化の予算として16億米ドルしか認めないとしています。


先週11日、トランプ大統領は民主党幹部との会談の席で声を荒げました。予算確保のために政府閉鎖を辞さないと明言。民主党幹部は、政府が閉鎖されればトランプ大統領の責任だと痛烈に批判しました。


ワシントンポストは16日、ホワイトハウスが政府閉鎖の準備を始めたと伝えました。トランプ大統領と民主党の間で予算をめぐる合意が成立する見込みはなさそうだとしています。中間選挙後の年末の議会は「レームダック・セッション」になることが多いのですが、今年は議論が白熱しそうです。


ワシントンの政治の混乱が株価にネガティブに影響する可能性があります。


 [December 16, 2018 NY 131]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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