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不安定相場続く、2019年は?

2018/11/26 09:44

「ダウ4.4%安」


サンクスギビングデー(感謝祭)を挟んだ先週のニューヨーク株式相場は大きく下げました。感謝祭の週に下落したのは2011年以来のことです。


ダウは前週末に比べて1127ポイント(4.44%)下落。先週末の終値は2万4285。3つの銘柄がダウ指数を大きく押し下げました。


主力のiPhoneの低調な販売が報じられたアップルは約11%下落。米中貿易戦争の行方の不透明感を背景に、中国との取引が大きいボーイングは6.7%下げました。また、FRB高官が慎重な姿勢を示したことで利上げ打ち止め観測が強まり、金利に敏感なゴールドマンサックスが6.4%下落して1週間の取引を終えました。


S&P500は104ポイント(3.79%)安。テクノロジー株の比率が高いナスダックは4.26%下げました。


ナスダックは年初水準を0.5%上回っていますが、ダウは年初水準から1.8%低く、S&P500は1.5%下回っています。


アップルの下げは個別要因が大きいですが、これまでのブル(強気)相場をけん引してきたフェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの親会社のアルファベット、いわゆるFAANGがいずれも売られ、マーケット全体の下げを主導しました。バロンズの最新号の巻頭記事は「テクノロジーのトルネード」と題し、FAANGの負のスパイラルを取り上げました。


原油価格が急落した影響も大きい。23日の取引でニューヨーク原油の指標であるWTIが7.8%安と急落しました。目立った材料はありませんでしたが、トランプ大統領が原油安を好み、世界的に供給過剰が指摘される中でアメリカが増産する方向であること、12月初旬にウィーンで開かれるOPEC総会が原油安を抑制する方向で合意できるか懐疑的な見方が根強いことが影響しました。


「ブラックフライデーとFRB」


今週の株式相場は、感謝祭明けに本格化した年末商戦の見通しが相場に影響しそうです。1年で最も安く、最もモノが売れるブラックフライデー、そしてオンラインに特化した26日のサイバーマンデーの結果が小売株だけではなく、マーケット全体に影響する可能性があります。


FRBの金融政策をめぐる観測も相場に影響するとみられます。週半ばのFRBのパウエル議長の講演、29日発表のPCEデフレーターとFOMC議事録が材料になりそうです。一般的に金利低下は株式にポジティブに影響しますが、背景が経済の減速見通しであるため異なる影響を与える可能性があります。下落基調が鮮明な原油相場も投資家心理に影響しそうです。


トランプ大統領と習近平国家主席の首脳会談を控え、市場が要人の発言に敏感になることも予想されます。トランプ大統領は楽観的な見方を示していますが、予断を許しません。


ベア(弱気)相場入りしたFAANGがどこまで下げるかも注目されています。FAANGの時価総額の合計は高値から1兆1000億米ドル下がりました。一段安になると投資家心理がさらに冷えそうです。


「2019年の見通し」


バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BofAML)が2019年の株式相場が下落すると予想しました。CNBCによると、BofAMLは、S&P500は2018年末に3000、2019年末に2900となるとの見通しを示しました。株式相場は2019年末までにピークを迎えるとみています。


BofAMLは、金利が上昇するため、キャッシュの競争力が増すと予想しています。ゴールドマンサックスも来年はキャッシュ比率を高めることを推奨しています。株式マーケットをめぐる見方は大きく変わりつつあります。


[November 25, 2018 NY 128]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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