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米株方向決める材料

2018/11/12 09:57

「民主党の勝利」


ニューヨーク株式マーケットは、中間選挙の結果をポジティブに受け止めました。ひとまずは。


ダウは先週1週間で718ポイント(2.84%)上昇しました。投資家の多くがベンチマークにしているS&P500は2.13%高でした。


ナスダックは0.68%高。ダウやS&P500と比べ小幅な上昇にとどまりましたが、2週間連続で上昇したのは8月以降で初めてのことです。個別には、アマゾンとアップルの下落が目立ちました。


中間選挙では、民主党が下院を奪還。上院は、共和党が議席を1つ増やし過半数を維持しました。ほぼ予想通り。共和党が善戦したように見えますが、民主党の下院の最終的な議席数は予想より多くなる見通し。「民主党が大勝した」との見方も一部であります。トランプ大統領は「大成功」と結果を歓迎しましたが、記者会見で民主党の躍進について聞かれると表情を曇らせたのが印象的でした。


先週は、FOMCも材料になりました。市場予想通り金利を据え置きましたが、声明で「10月の株安」に触れませんでした。利上げを継続する姿勢を明確にしたことで株式相場は一時軟化しました。


マーケットの関心は米中の貿易戦争に移りました。今月末にアルゼンチンで開かれるG20首脳会議の場で、トランプ大統領と習近平国家主席が会談する予定です。


BofAメリルリンチのストラテジストは、「仮に米中が貿易問題解決について合意すれば、エコノミストは2019年の成長見通しを引き上げ、株価を押し上げることになりそうだ」とバロンズにコメントしました。会談が物別れに終わった場合は、世界経済への懸念が一段強まり、投資家の恐怖感が高まるだろうとしています。


「小売とインフレ率」


今週のニューヨーク株式マーケットでは、中間選挙後の上昇基調が継続するかが注目です。


材料になりそうなのが小売関連。12日月曜日は「退役軍人の日」のため祝日ですが、株式取引は通常通り。ただ、経済指標や決算の発表は予定されていません。米国債の取引もありません。


火曜日にはホームデポ、水曜日はデパート大手のメイシーズ、木曜日はウォルマートやJCペニーが四半期決算の発表を予定しています。小売企業にとって重要な年末商戦の見通しが株価に影響することが予想されます。木曜日には商務省が小売売上高を公表します。


水曜日発表の10月の消費者物価指数も材料視されています。エコノミストはコア指数が前年比で2.2〜2.5%上昇すると予想しています。


「中間選挙後のワシントン」


トランプ大統領が中間選挙後に最初に実行したことはセッションズ司法長官の解任でした。長官代理のウィテカー氏は過去に、「ロシア疑惑はない」と主張しています。こうした中、ロシア疑惑を捜査しているモラー特別検察官は最終報告書の作成に着手した模様です。


中間選挙の公式結果は今週後半に発表され、これを受けた新議会が1月に始まります。女性初の下院議長になる見込みのペロシ下院議員は、インフラ投資を重点的に審議する方針を示しました。トランプ大統領と歩調が合っていて、株価にポジティブに影響する可能性があります。


一方、大統領の弾劾手続きを進める権限を持つ下院を民主党が制したことで、年明けは弾劾問題が株価に影響するかもしれません。モラー特別検察官の最終報告書が鍵になる可能性があります。移民政策をめぐってもホワイトハウスと下院(民主党)は衝突しそうです。


米中貿易戦争、FRBの金融政策、政局が、当面のニューヨーク株式マーケットの材料になるとみられます。


[November 12, 2018 NY 126]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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