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NY株式マーケットに変化の兆し

2018/11/05 09:46

「騰落レシオが示唆するもの」


ニューヨーク株式相場は先週、堅調に推移しました。ダウは週間ベースで582ポイント(2.36%)上昇しました。S&P500は2.42%高、ナスダックは2.65%上げて1週間の取引を終えました。


時価総額最大のアップルは、業績見通しがアナリスト予想を下回り、2日の取引で6.6%安と急落しました。一方で、9月の雇用統計は市場予想以上に強く、アメリカ経済の堅調さを示しました。


不安定な展開が続いたニューヨーク株式相場は落ち着いたように見えますが、バロンズは投資家が望む回復ではないと解説しました。


ベイクレストパートナーズのテクニカルアナリストは、S&P500の騰落レシオが、相場が下落基調に転じる確率が高くなったことを示しているとバロンズにコメントしました。


相場変調の兆しがもう1つ。大きく下落する局面で、売買高が増えていません。株価が急落した2月には、売買高が急増しました。恐怖指数であるVIXは2月に37.23まで上昇しましたが、10月の下落局面では25.23にとどまりました。これらは、最後の売り場とされる「セリング・クライマックス」がまだ訪れていないことを示唆しています。先週の上昇局面は、「売りの好機」と考える投資家が多かった可能性があります。バロンズは、ポートフォリオの株式の配分を引き下げるよう勧める動きがあると伝えました。


「米中間選挙」


今週の最大の材料は6日火曜日に実施される中間選挙。注目は、連邦議会の行方。上院の3分の1の議席と下院の全議席が改選されます。


民主党が躍進し下院を奪回するものの、上院では共和党がかろうじて過半数を維持するというのがウォール街のメインシナリオです。ファイブサーティエイト・ドットコムは、民主党が下院を制する確率は85%あると分析しています。


NBCニュースとウォールストリートジャーナルの最新の調査、そして、ABCニュースとワシントンポストが実施した調査では、支持率で民主党が依然としてリードしていることがわかりました。ただ、いずれの調査でも民主党はリードを縮めました。


トランプ大統領の「露骨な票集め」が共和党の支持率を下支えしている可能性があります。共和党が予想外に善戦する可能性が出てきました。


メインシナリオであれば株式マーケットの反応は限定的とみられますが、共和党が上下両院で過半数を維持すれば、株価が大幅に上がると予想されています。世論調査とは異なり、民主党が上下両院を奪還した場合、株価は下振れするとみられています。


今週はまた、7-8日にFRBが金融政策を決める会合(FOMC)を開きます。金利据え置きがコンセンサス。声明の文言に特段の変更がなければ、株式マーケットの反応は限定的となりそうです。


「歴史的には関係薄い」


ウォール街が中間選挙の結果を強く意識していることは事実ですが、歴史的には、中間選挙と株式相場の関係は薄いようです。


バロンズによると、1970年以降、大統領と議会、あるいは議会の上下両院が「ねじれ」となった場合も、株式相場の動きはまちまちでした。中間選挙の翌日は1982年を除いて株式相場はほとんど動いていません。関連性がないことを歴史が示唆しています。


マーケットの関心は選挙後すぐに、米中貿易戦争の行方に移るかもしれません。


 [November 05, 2018 NY 125] 

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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