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不安定相場続くか

2018/10/29 09:13

「S&P500、3.9%安」


先週のニューヨーク株式マーケットは不安定でした。上下に大きく振れました。


ダウは週間ベースで756ポイント(2.97%)下げました。S&P500は3.94%下げました。ナスダックは3.78%下げて1週間の取引を終えました。


S&P500は一時「調整領域」に入りました。高値から10%下げると「調整入り」したとされ、下落基調に転じる可能性が高まります。S&P500は一時的に領域入りしたものの、なんとかそれを抜けた状態で1週間の取引を終えました。


ナスダックは高値から12%下げていて、「調整入り」しています。小型株の指数であるラッセル2000も同様です。


10月に入り株価のボラティリティが高まりました。長期金利の指標である米10年債の利回りが3%台に乗せ上昇を続けたこと、米中貿易戦争の終わりが見えないことなどが背景でした。これらに加え、先週は、企業業績への懸念が株価押し下げ要因になりました。


「トランプ関税」の悪影響が、ダウ構成銘柄であるキャタピラーと3Mの決算で表面化。「高すぎる」と言われながらも人気は衰えず、マーケット全体の上昇をけん引したFAANGの一角であるアマゾンとアルファベット(グーグルの親会社)の決算がアナリストの予想を下回りました。「企業業績がピークを超えた」との懸念が株価に影響しました。


大きく崩れた株式相場。ただ、S&P500は調整領域を回避しました。バロンズは、パニックになる必要はないと解説しました。


「決算と金利の影響」


ニューヨーク株式マーケットでは、今週も主要企業の決算が最大の材料です。


火曜日には、コカコーラ、フィアットクライスラー、イーベイ、GEの決算が発表されます。同じ日、ニューヨークのブルックリンで開かれるアップルのイベントにも注目が集まりそう。iPad、Macの新製品が発表されます。エアポッドの次世代も発表されるかもしれないとの噂があります。


水曜日はGM、木曜日はアップル、スターバックスなど、そして、金曜日にはエクソン、シェブロンなどが四半期決算の発表を予定しています。


経済指標で株価に影響しそうなのは二つ。一つは火曜日発表のS&Pケースシラー住宅価格指数。金利上昇の影響を最も大きく受けるのが自動車と住宅。特に、住宅市場に注目が集まっています。このところ、住宅関連株が大きく売られています。


もう一つは金曜日の雇用統計。特に、賃金の動向が株価に影響する可能性があります。


「沈黙するトランプ」


トランプ大統領は就任1年目の去年、株価上昇を繰り返し歓迎する意向を示しました。自身の政策の効果だと強調しました。


CNBCは「トランプ大統領は株価について言及しなくなった」と伝えました。2月の株価急落、10月に入ってからの不安定な展開について、トランプ大統領はツイートしていません。


経済は堅調なものの、FRBの利上げで長期金利が上昇、米中貿易戦争の影響が出始めました。CNBCは、就任1年目と2年目では、マーケットを取り巻く環境が大きく変わったと指摘しました。大型減税、規制緩和、大規模なインフラ投資への期待感が大きかった1年目と比べ、2年目は株価にネガティブな要因が増えました。


トランプ大統領は、中間選挙を直前に控え、株価の下落が注目されることを避けているのかもしれません。FRBを批判し、自身の経済政策の影響、責任ではないと主張したいのかもしれません。


トランプ大統領の不規則発言が今週の株価を動かすかもしれません。米ドルや金利に言及した時もそうでしたが、株価に言及すれば、マーケットが敏感に反応する可能性がありそうです。


[October 29, 2018 NY 124]   

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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