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急落後はどう動くか。モメンタム株は戻るか

2018/10/15 09:31

「週間下落率4%」


ニューヨーク株式相場が先週、大きく動きました。主要な株価指数であるダウが10日の取引で800ポイント超下落。世界同時株安の発端となりました。翌11日も500ポイントを超える下落。2日間のダウの下げ幅は1400ポイント近くに達しました。


ダウは12日の取引でも一時マイナス圏に入りましたが、結局287ポイント高で取引を終えました。週間ベースでは4.19%下落しました。S&P500は1週間で4.10%安。ナスダックは3.74%下げました。


米10年債の利回りが今月に入り3%を超えて上昇したことが影響しました。パウエル議長のタカ派的な発言が背景と指摘されました。加えて、トランプ大統領が仕掛けた中国との貿易戦争などへの懸念が根強くありました。米国債利回りの上昇とそれを受けた米ドル高基調、そして貿易摩擦問題が企業の業績にネガティブに影響するとの懸念が広がりました。


バロンズは、モメンタム株が売られたと解説しました。モメンタム株は勢いのある株の総称。足元の業績が弱くても将来の成長が期待できる人気銘柄のことで、フェイスブック、アマゾン、アップル、ネットフリックス、グーグルの親会社のアルファベットの5社を示すFAANGがその典型です。


モメンタム株で構成されるETFは10月に入り6.9%下落しました。S&P500の月初からの下落率は5%です。割高になったから売られた可能性が高そうですが、不可解なことも。いまの時期は、損を出した株式、ETFを節税目的で売る投資家が目立ちますが、その逆は少ない。モメンタム株は年初から16%超上げていて、売却すると多額の税金が発生する見通し。パフォーマンスが悪い株式をさらに売ろうとしているのかもしれない。一部で警戒されています。


「決算と地銀総裁」


ニューヨーク株式マーケットでは、第3四半期(7−9月)の決算発表が本格化します。株価に大きく影響する可能性があります。


月曜日はバンク・オブ・アメリカ、火曜日はネットフリックス、IBM、ジョンソン&ジョンソンやゴールドマンサックス、水曜日はアルコアなど。木曜日はアメックスやトラベラーズ、そして金曜日はP&Gやハネウェルが四半期決算の発表を予定しています。


業績見通しが特に注目されています。慎重な見通し、ネガティブな材料に敏感に反応するかもしれません。


米10年債利回りの利回りに注目が集まる中、今週は、サンフランシスコ地区連銀のデーリー総裁をはじめ5人のFRB関係者が発言する機会があります。水曜日に発表されるFRB会合(FOMC)の議事録も材料視されています。


「株価の方向」


ニューヨーク株式相場がどちらの方向に動くか。大きく変動した直後だけに、世界の注目が集まっています。


PNCフィナンシャルのストラテジストは、CNBCに対し、ベア(弱気)相場入りしたとは言えないとコメントしました。アメリカ経済は引き続き堅調で、企業業績も期待できるとして、12日金曜日の反発がそれを示しているとしています。一方、USAAの投資責任者は、マーケットが落ち着いたかどうかわからない。今後数日の動きを確認すべきだと慎重でした。


バロンズは、RBCキャピタルマーケッツのストラテジストが、ダウ指数先物のロング(買い)ポジションが1月以来の高水準になっていると指摘していると伝えました。ポジション調整が今後の株式相場に影響することも予想されます。


[October 15, 2018 NY 122]   

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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