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ウォール街が予想する米中間選挙

2018/10/01 09:59

「対中関税とFRB」


ニューヨーク株式マーケットでは先週、貿易問題と金融政策が2大テーマでした。


トランプ政権は24日に中国からの輸入品目2000億米ドル相当に10%関税を発動しました。中国政府は予告通り、すぐに600億米ドル相当のアメリカ製品に対する報復関税を導入しました。


一方、FRBは2日間に渡る金融政策を決める会合(FOMC)で、政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を0.25%引き上げ、2.00〜2.25%にすることを決めました。


いずれも市場の予想通りでしたが、ニューヨーク株式相場は軟調でした。週間ベースで、ダウは285ポイント(1.07%)下げました。S&P500は0.54%安。ただ、テクノロジー株の比率が高いナスダックは0.74%高でした。月間ベースでナスダックは、6カ月連続で上昇しました。


ダウが下げたのは、中国での事業規模が大きいボーイングやキャタピラーが売られた影響が大きい。S&P500は銀行株の下げが響いたと指摘されています。


銀行株が軟調だったのは、FRBがいずれ利上げ打ち止めを検討するかもしれないと一部のマーケット関係者が深読みしたことが影響している可能性があります。


FRBは会合後の声明で、従来の「緩和的」という文言を削除しました。バロンズは、フェドウォッチャーの一部は、いずれ利上げサイクルの終了を検討するサインをFRBが出したと受けとめたと伝えました。しかし、パウエル議長は否定していて、深読みは憶測にすぎない可能性もあります。


「雇用統計」


今週の最大の材料は、アメリカ労働省が5日に発表する9月の雇用統計です。重視される非農業部門の雇用者数が18万4000人〜18万8000人増えると予想されています。失業率は3.8%に低下するというのがコンセンサスです。


株価に最も影響しそうなのが賃金の伸び。前年同月比で2.8%上昇すると予想されています。8月の雇用統計は2.9%でした。賃金の伸びが市場の予想以上に加速した場合、FRBが利上げペースを加速するとの観測が広がる可能性があります。いずれにせよ、雇用統計の賃金のデータが株式マーケット全体に影響するとみられています。


今週は、火曜日にペプシコ、木曜日にコストコが四半期決算を発表します。


また個別には、5000万人の認証情報が流出してデータ管理の甘さが露呈したフェイスブック。そして、SECと和解したテスラの株価が個別に注目されています。テスラ創業者のマスク氏は会長職から退きますが、CEOにはとどまります。投資家が望んでいた対応と言えます。


歴史的に株安の月とされる9月は比較的堅調でした。第4四半期のはじめの10月相場は、ヘッジファンドの年度末を控えた動きが影響する可能性があります。中間選挙が迫り、選挙見通しが投資家心理に影響することも予想されます。


「中間選挙」


11月6日に予定されるアメリカの選挙。4年に1度の大統領選挙がある年の中間に実施されることから「中間選挙」と呼ばれます。


中間選挙では、下院の全議席、上院の3分の1の議席が改選されます。現在の下院は共和党が236、民主党が193で、6議席が「空き」となっています。共和党が圧倒しています。


全ての州から2人ずつ、合計で100議席ある上院は、共和党が51に対し、民主党が49です。与野党が拮抗する構図。改選されるのは民主党が持つ26議席と共和党が握る9つの議席です。


バロンズ誌は、政治をテーマにした異例の円卓会議を実施、ウォール街の有力なストラテジストが出席しました。最新号の表紙、巻頭記事になったのですが、下院は民主党が過半数を奪回、上院は共和党が過半数を維持するというのがメインシナリオだとわかりました。幅広い有権者を対象にした世論調査と一致する見方です。


シナリオ通りの場合、インフラ投資とヘルスケアへの政府支出が増え、株価に影響するとの意見が多くありました。ただ、バロンズは、今後1カ月で政治、マーケットが大幅に変わり、現在の予想が「間違い」になる可能性があるとしています。


[October 01, 2018 NY 120]   

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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