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広がったハイテク株売り

2018/09/10 09:31

「ナスダック続落」

 

ニューヨーク株式相場をけん引してきたテクノロジー株がパッとしません。


先週のニューヨーク株式マーケットでは、ダウが週間ベースで48ポイント(0.19%)下げました。S&P500は1.03%下落。トランプ大統領が中国に対する追加制裁の可能性に言及したことなどが影響しました。


テクノロジー株の比率が高いナスダックは2.55%安。ダウとS&P500と比べ、下落率の大きさが目立ちました。テクノロジー株がおかしい。


売りはフェイスブックとツイッターから始まりました。議会の公聴会で、情報管理の甘さやニュースの偏りなどが指摘されました。厳しい批判もあり、規制が強化されるとの観測も影響し2社の株価は低迷しました。


次に売られたのは半導体株。一部のアナリストが投資判断を引き下げたことがきっかけでしたが、マイクロン・テクノロジーをはじめ半導体関連株が全面安でした。


週後半は、1兆ドル企業になったアマゾン、アップルが売られたほか、マイクロソフトも軟調でした。前の週はネットフリックスが急落しましたが、FAANGの変調が意識された1週間でした。


「貿易問題とアップル」


今週のニューヨーク株式マーケットでは、引き続き貿易問題が材料になりそうです。


トランプ政権は今週にも、中国からの輸入品2000億米ドル相当に25%の制裁関税を発動する可能性があります。これに追加する形で、トランプ大統領は先週末、さらに規模が大きい制裁の用意があると述べています。貿易戦争の激化は株式相場のネガティブ要因です。


アップルのクックCEOは先週、対中関税がエアポッドとアップルウォッチにとって打撃となると述べました。ただ、iPhoneにはいまのところ影響はないとの見方でした。


アップルは今週12日のイベントで、最重要製品であるiPhoneを含めた新製品を発表する見通しです。


iPhoneの今年度の売り上げ予想は1650億米ドル(約18兆3000億円)で、アップルの全体の売り上げの62%を占める見通し。CNNマネーは、iPhoneの売り上げはS&P500の採用銘柄の492社の売り上げを上回っていると解説、同時にテスラとGEを買ったうえにキャンベルスープを買える額だとしています。アップルにとっても、ニューヨーク株式マーケット全体にとっても重要と言えるiPhoneの新型に注目が集まりそうです。


今週はまた、木曜日発表のアメリカの消費者物価指数、金曜日の小売売上高も材料になる可能性があります。決算では、木曜日のスーパー大手クローガーが注目されています。


「金融危機から10年」


大手投資銀行のリーマン・ブラザーズが2008年9月15日に経営破たん。世界的な金融危機のきっかけとなりました。日本では「リーマン・ショック」と呼ばれています。


あれから今週末で丸10年。バロンズの最新号は、金融危機から10年たったいまも、投資家に影響しているとする巻頭記事を掲載しました。


2007年時点でアメリカ人の65%が株式を保有していました。いまは55%。株式相場は歴史的な上昇基調にありますが、危機の経験が依然として投資家心理に影響しているとバロンズが解説しました。特に、若い層が株式投資に慎重だとしています。


 [September 10, 2018 NY 117]   

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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