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ブル相場いつまで

2018/08/20 09:57

「S&P500、最高値迫る」

トルコ通貨危機の影響が懸念されましたが、先週のニューヨーク株式相場は堅調でした。

ダウは356ポイント、率にして1.41%上昇しました。S&P500は0.59%高で2850。最高値まで1%以内に迫りました。ナスダックは週後半に、半導体株が売られた影響などで0.29%安でした。

バロンズによりますと、S&P500の上昇基調は2009年3月に始まり、先週末で3448日が経過しました。今週、1990年から2000年まで続いたと一部で判断されているブル・マーケットに並びます。ただ、1990年には厳密なベア・マーケットはなかったため、1987年から2000年までが過去最長のブル・マーケットとの見方もあり、それにはまだ及ばないとバロンズが解説しました。

2009年からの現在のブル・マーケットではS&P500は321%上昇しました。1987年〜2000年の間、S&P500は582%上昇していて、順調にいけば、それに迫る可能性があります。

 

「対中関税と小売」

今週のニューヨーク株式マーケットでは、先週に続き小売大手の決算が材料視されています。

火曜日にコールズ、TJマックス、水曜日にターゲット、ロウズなどが四半期決算を予定しています。

木曜日は中国への関心が高まりそうです。アリババが決算発表。また、トランプ政権が中国からの160億米ドル相当の輸入品に対し25%の関税を発動します。対中制裁の第1弾の残り分。中国政府はすぐに報復措置を発表する見通し。

22日と23日には、ワシントンで米中の貿易をめぐる事務レベルの協議を再開します。微妙なタイミングでの協議。ウォール街は注目しています。

今週は金融政策も材料になりそうです。水曜日には、米FOMCの会合議事録が公表されます。木曜日からはカンザスシティ地区連銀が主催する恒例の年次経済フォーラム(ジャクソンホール会議)が3日間の日程で始まります。金曜日にFRBのパウエル議長が講演を予定しています。

トルコリラ相場、新興国市場の動向、それに関連した米ドル相場も株式マーケットに影響する可能性があります。

 

「ベネズエラ危機」

経済危機が長期化、ハイパーインフレが続く南米ベネズエラは、通貨を10万分の1に切り下げます。

ベネズエラの中央銀行の発表によりますと、現在の通貨単位「ボリバル・フエルテ」からゼロを5つ減らした「ボリバル・ソベラノ」を新たに導入します。20日から新しい紙幣やコインと交換します。

ベネズエラのマドゥロ大統領は当初、6月に1000分の1に切り下げるデノミを実施する計画でした。準備の遅れで延期されましたが、デノミ幅を大幅に広げる結果になりました。

マドゥロ大統領は、デノミによりハイパーインフレを抑制し、通貨の信用を回復させることが狙いです。ただ、インフレを止めることができるのか。懐疑的な見方が多いです。IMFはベネズエラのインフレ率が年末までに100万%に達すると予想しています。

ベネズエラはさらに、仮想通貨「ペトロ」を正式の会計単位として使い始める計画です。原油を裏付けとした仮想通貨ですが、アメリカのトランプ政権は3月、対ベネズエラの経済制裁の一環としてアメリカ国民によるペトロ取引を禁止しました。

マドゥロ大統領は反米として知られています。ベネズエラの経済混乱がアメリカに与える影響は限定的ですが、原油相場に影響する可能性があり、ウォール街は注目しています。

 

[August 20, 2018 NY 114] 
 

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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