週刊2分でわかるNYダウNYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

トルコ通貨危機、どう影響するか

2018/08/13 10:09

「アジア通貨危機との違い」

トルコの通貨リラは10日の欧米マーケットで急落。トルコに多額の融資をしているヨーロッパの大手銀行株は軒並み売られました。株安がニューヨークにも連鎖。ダウは200ポイント近く下げました。

アメリカのトランプ大統領がトルコから輸入する鉄鋼とアルミニウムの関税を2倍にする方針を示したことがきっかけでした。ただ、高インフレ、経常赤字の拡大、独立性に欠ける中央銀行というトルコ固有の問題が、トルコリラ急落を招いたとされています。

バロンズは、1990年代後半に発生したアジアの通貨危機とは違っているようにみえると伝えました。当時、アジアの多くの国が類似した金融政策をとっていて、破たんが連鎖したとしています。ただ、マーケットの反応は、アジア通貨危機を連想させたとしています。

ダウは先週1週間で149ポイント、率にして0.59%下げました。S&P500は0.25%安。ナスダックは0.35%下落しました。

先進国の株式マーケットの指数であるiShares MSCI EAFEは週間ベースで2%下落。一方、新興国株のiShares MSCI Emerging Marketsは2.3%安でした。トルコ通貨危機の影響は先進国より新興国の方が大きく、ニューヨーク株式相場への影響は限定的だったことがわかります。

トルコ通貨危機をめぐりニューヨーク株式相場のリスクになったのが米ドル高だとバロンズが解説しました。海外で事業を展開する大企業に悪影響になるリスクがあるとしています。

 

「小売に注目」

今週のニューヨーク株式マーケットでは、米国内の小売の動向に注目が集まりそうです。

アメリカ商務省が15日、小売売上高を発表します。アメリカのGDPの3分の2を占める個人消費の動向が材料になるとみられます。17日発表のミシガン大学の消費者信頼感指数も株価に影響する可能性があります。

小売大手の四半期決算も相次いで発表されます。火曜日はホームデポ、水曜日はメーシーズ、木曜日はウォルマート、JCペニー、ノードストロームがそれぞれ決算発表を予定しています。

トランプ大統領が引き起こした貿易戦争の行方も引き続き材料視されています。金曜日に農機具大手のディーアが決算を発表しますが、貿易戦争の影響が業績見通しにどう影響するか注目されています。

トルコリラ急落が先週末の欧米マーケットに影響しました。トルコリラ相場がどう動くか、新興国市場やヨーロッパに連鎖するか。ウォール街が注視しています。関連して、米ドル相場が大きく変動した場合、株価に影響することも予想されます。

日本はお盆休みに入りますが、欧米でも夏休み入りした投資家が少なくありません。トランプ大統領は、ニュージャージーのゴルフ施設で事実上の夏休みを過ごす計画です。今週は、全体的に商いが低調になる可能性があります。

 

「テスラ」

電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOが、非上場化を検討していることをツイッターで明らかにしました。短期的な業績より、長期的な視野で経営したいことが背景。テスラの取締役会は今週、金融アドバイザーと会う予定。方針が決まる可能性があります。

マスク氏のツイートでテスラ株が下落。投資家2人が損失を被ったとして、テスラとマスク氏を提訴しました。証券取引委員会(SEC)はこれとは別に、ツイッターでの発表について調査をしています。

CNBCによりますと、非上場化するためには714億米ドル(約7兆8540億円)の資金が必要だが、一部の投資家次第では半分で済む可能性もあると伝えました。

テスラの筆頭株主は20%を保有するマスク氏。9.1%のTロウ・プライス、8.2%のフェデリティ、7.7%のバイリー・ギフォード、4.9%のテンセントが続きます。トップ5で約50%を保有している計算です。

著名経営者、注目企業の異例の展開。テスラの行方をウォール街が注目しています。

 

 [August 13, 2018 NY 113] 
 

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

  • ※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • ※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • ※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • ※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

タイトル一覧(月別)
topへ