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貿易戦争と中国ビジネス

2018/08/06 09:40

「1兆ドル企業」

ホワイトハウスが中国からの輸入品に25%の関税を賦課することを検討しています。当初発表の10%から25%へ引き上げた形。先週は中国での売上高が大きいアップルが好決算を発表、アメリカ企業として初めて時価総額が1兆米ドル(約111兆円)を突破しました。バロンズは、マーケットが「矛盾」を好むと解説しました。

主要な株価指数は先週、いずれも上昇しました。キャタピラーやボーイングが採用銘柄であるため貿易問題に敏感であるはずのダウは11ポイント(0.05%)と小幅ながらプラスで週を終えました。

S&P500は0.78%高。5週連続で上昇しました。2週連続で軟調だったナスダックは、アップルの大幅高などが寄与して0.96%上げて1週間の取引を終えました。

反面、中国の株式相場は軟調でした。上海総合株価指数が週間ベースで4.6%安。年初からの下落率は17%に達しました。人民元も軟調。中国の中央銀行にあたる人民銀行が事実上介入する前、対米ドル相場は1.2%下落しました。

ウェルズファーゴ証券のストラテジストは、中国が財政と金融の両面で景気刺激に動いているとした上で、アメリカとの貿易戦争が深刻化するのに備えているようだとバロンズにコメントしました。

 

「S&P、高値近い」

第2四半期(4−6月)決算の発表ピークが過ぎましたが、今週もメディア大手などの決算が続きます。

月曜日はマリオット、タイソンフードなどが決算発表。火曜日は、ディズニー、水曜日はCVS、木曜日はバイアコムとニューズなどが四半期決算を予定しています。

経済指標では、木曜日発表の生産者物価指数、金曜日の消費者物価指数が材料になる可能性があります。

ウォール街は引き続き貿易問題の行方を注視しています。米中の貿易戦争がエスカレートした場合、ネガティブに反応する可能性があります。

カナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉が今週、大きく動くかもしれません。先週末にアメリカとメキシコが難航していた自動車問題で合意に近づいたと伝えられました。合意に向けて進展があれば、投資家心理が改善しそうです。

ニューヨーク株式マーケットのブル(強気)相場が、今月22日に第2次世界大戦後で最長を記録します。2009年3月9日に始まった現在のブル相場はしばらく続くとの見方が優勢です。

CNBCは、S&P500が最高値まであと1.2%の水準にあり、今週にも到達する可能性があるとの見通しを伝えました。ただ、貿易問題の影響が不確実要因だとしています。

 

「大幅増益」

ウォールストリートジャーナルは週末、アメリカの大手企業の業績が金融危機以降で最も強い水準にあると報じました。法人税が35%から21%へ引き下げられたこと、堅調なアメリカ経済を背景に企業業績が好調だとしています。

ロイターのまとめでは、S&P500に採用された企業の第2四半期決算は、利益が平均で前年同期比23.5%増えました。

「トランプ関税」の影響で材料費が高くなり、人件費も上がる。多くの大手企業がコスト増を想定しています。コスト増の多くは商品の価格上昇につながりそうだとウォールストリートジャーナルが解説しました。

オムツ、トイレットペーパー、衣料品、家電まで。今年後半から消費者の負担が増えることが確実な情勢です。

 

[August 06, 2018 NY 112] 

 

 

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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