週刊2分でわかるNYダウNYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

IT株と上昇相場

2018/07/30 09:37

「フェイスブック」


先週のニューヨーク株式マーケットは、3つの主要な株式指数が異なる動きを示しました。


アメリカの各産業を代表する30社で構成されるダウは、週間ベースで339ポイント(1.57%)上昇しました。銀行株の寄与度が高いS&P500は0.61%高でした。一方、テクノロジー株の比率が高いナスダックは、先週83ポイント(1.06%)下落しました。


注目されたアメリカの第2四半期(4−6月)のGDP速報値は、前期比年率で4.1%増加。約4年ぶりの強い成長でした。市場予想とほぼ一致。トランプ大統領は、自身の経済政策の成果だと誇りましたが、マーケットは冷ややかでした。悪くも良くもない。それより、トランプ大統領の言動が発端となった貿易戦争の経済への影響の方が心配との声が目立ちました。


先週は、四半期決算が本格化しましたが、特にテクノロジー企業の決算が注目を集めました。グーグルの親会社のアルファベットの決算は、クラウドサービスなどが好調で市場予想を上回りました。


一方、フェイスブックの決算は衝撃的でした。業績はほぼ予想通りだったのですが、通期の見通しを下方修正しました。同じソーシャルメディアのツイッターの決算にも投資家は失望しました。アカウント数が大幅に減少しました。成長神話は崩れ、それぞれ株価が急落。フェイスブックは19%安、ツイッターは21%値を下げました。


先週は、トランプ大統領とEUのユンケル委員長との会談も材料でした。貿易協議を開始することで一致し、懸案だった輸入車に対する25%関税はひとまず回避されました。アメリカ産の大豆と液化天然ガスの購入を検討するとのユンケル委員長の発言を、トランプ大統領が評価した格好です。ただ、液化天然ガスをアメリカから輸入するのはコスト面で非現実的だとの指摘があり、米EUの貿易摩擦への不安を払拭するには至りませんでした。


「アップルと雇用統計」


今週も決算が相場に影響しそうです。


月曜日はキャタピラー、火曜日はファイザー、P&G、アップルが四半期決算を発表します。アップルの時価総額は1兆米ドルに近づいていて、決算を受けて大台に迫るかが注目。貿易戦争の業績見通しへの影響も材料視されています。


水曜日はテスラ、木曜日はバークシャー・ハサウェイ、金曜日はクラフト・ハインツなどが四半期決算を発表予定です。


金融政策とそれを受けた米国債と米ドルの動きも株価を動かす可能性があります。今週は、日米英の中央銀行が金融政策を決める会合を開きます。FOMCについては、金利据え置きがコンセンサスです。パウエル議長の記者会見は予定されておらず、声明で9月利上げをどこまで示唆するかが焦点です。


今週は重要な経済指標の発表も相次ぎます。特に、金曜日のアメリカの7月の雇用統計が注目。重視される非農業部門の雇用者が19万5000人増え、失業率が3.9%に改善するとの予想がコンセンサスになっています。


「関税の影響拡大」


ニューヨーク株式マーケットでは、決算発表がピークに近づいています。これまで四半期決算を発表した企業の約4割が、「貿易戦争」と「関税」の影響について懸念を表明しました。


ウォールストリートジャーナルによると、トランプ関税の影響で、アメリカの鉄鋼の価格が年初から33%、アルミニウムの価格が11%上がりました。コカコーラなどのソーダ類、ハーレー・ダビッドソンのオートバイの小売価格が上昇、消費者の負担が重くなっているとしています。


冷蔵庫、洗濯機や乾燥機などの小売価格も上昇しているほか、幅広い商品の価格が上昇傾向にあるとの報道が目立ちます。


「アメリカ第1主義」政策で共和党員の支持率が上がっていますが、「関税」及び「貿易戦争」に関しては、共和党内でも評価が低いとされています。中間選挙を睨んで、トランプ大統領が今後どう動くか。ウォール街が注目しています。


 [July 30, 2018 NY 111] 

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

  • ※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • ※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • ※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • ※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

タイトル一覧(月別)