週刊2分でわかるNYダウNYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

方向分かれる3つの米株価指数

2018/06/18 09:04

「S&P500横ばい」


先週のニューヨーク株式マーケットは材料が豊富でした。米朝首脳会談、FRBの会合、中国に対する制裁関税の発表、小売売上高をはじめ多くの経済指標など。好材料と悪材料が混在する中、3つの株式指数は異なった動きを示しました。


アメリカを代表する30社の平均株価であるダウは226ポイント(0.89%)下げました。中国と貿易戦争に発展するとの懸念、高率関税が業績にどう影響するか不透明なことを背景に、ボーイングが大幅に下落。エクソン・モービルなどエネルギー関連株の下げも目立ちました。


一方、テクノロジー株の寄与度が高いナスダックは1.32%上昇しました。消費関連株が堅調でした。


興味深いのはS&P500。多くのファンドマネージャーらがベンチマーク(指標)にしている指数ですが、週間ベースで上昇しました。ただ、上昇幅はわずか0.63ポイント、上昇率は0.02%でした。1週間を通してほとんど動きませんでした。


グレンメドの投資責任者は、経済や企業業績などの好材料と、関税や金利上昇などの悪材料が綱引きをしているとバロンズにコメントしました。「両社が拮抗していると感じる。しかし、最も重要なのは前者だ」としています。


「貿易とOPEC」


今週発表されるアメリカの経済指標は薄めです。20日の経常収支と中古住宅販売、21日のフィラデルフィア地区連銀景気指数が注目されますが、影響は限定的になるとみられます。


ウォール街の関心は貿易問題。トランプ政権は中国の輸入品に高率関税を適用する方針を発表しましたが、ほぼ同じ規模の報復関税を発動すると中国政府が表明しました。引き続き貿易をめぐる動きが株価に影響する可能性があります。


主要国の中央銀行は、貿易戦争、トランプ政権の保護主義が経済に悪い影響を与える可能性があると警戒しています。ECBがポルトガルで今週開く年次イベントに、ドラギ総裁のほか、FRBのパウエル議長、日銀の黒田総裁らが出席します。材料になるかもしれません。


22日にウィーンで開かれるOPEC総会も、特にエネルギー関連株に影響するとみられます。トランプ大統領はOPEC批判を繰り返していますが、OPEC加盟国の協調減産の行方が注目されます。


「ロシア疑惑と北朝鮮問題」


ワシントンの連邦地裁は15日、元トランプ選対本部長のマナフォート被告を拘留しました。マナフォート氏は、2016年の大統領選にロシアと共謀して介入した疑惑でモラー特別検察官が起訴していました。


9月の公判まで保釈される方向でしたが、モラー特別検察官が司法妨害の容疑で追起訴したため、裁判所は保釈を取り消しました。


トランプ大統領はツイッターで「非常に不公平だ」と批判しました。マナフォート被告に恩赦を与えるのではないかとの噂が広がっています。そうなれば、トランプ批判が一段と強まる可能性があります。


北朝鮮政策も注目を集めています。トランプ大統領は、早ければ17日(日本時間の18日)にも金正恩朝鮮労働党委員長と電話会談する可能性を示唆。さらに、ポンペオ国務長官と安全保障担当のボルトン補佐官を今週中にも平壌に派遣する方向です。シンガポールでの首脳会談で「譲歩しすぎ」との批判が多い中、非核化を巡る対話がどう進むか。


北朝鮮が、トランプ大統領の娘婿のクシュナー補佐官との秘密のチャンネルを開設しようとしていたとの報道もあります。ニューヨークタイムズが報じたものですが、欧米で後追い報道が活発化しています。


通商政策に加え、ロシア疑惑と北朝鮮問題の行方、それらに関連したトランプ大統領の言動に株価が反応する可能性があります。


 [June 18, 2018 NY 105] 
 

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

  • ※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • ※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • ※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • ※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

タイトル一覧(月別)