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NY株の環境は複雑、トランプリスクはまだある?

2018/03/26 09:06

「急落」


ニューヨーク株式相場が先週、大きく崩れました。


NYダウ平均は、週間ベースで1413ポイント(5.67%)下げました。銀行株の寄与度が高いS&P500は5.95%下落。テクノロジー株の割合が多いナスダックは6.54%安でした。


個別に下げが目立ったのはフェイスブック。契約していたイギリスの政治コンサルティング会社のケンブリッジ・アナリティカが5000万人分の個人情報を許可なしに利用していたことが発覚。フェイスブックと創業者のマーク・ザッカーバーグ氏は窮地に陥りました。


ボーイングの下げも目立ちました。トランプ大統領が中国からの輸入品に高率の関税を課す大統領令に署名し、これを受け中国政府が相互関税の方針を明らかにしたことが大きく影響しました。中国はボーイングから大量の航空機を購入しています。


先週21日、アメリカの中央銀行にあたるFRBは市場予想通り0.25%の利上げを決めました。2018年については今回を含め3回の利上げを予想しましたが、2019年は利上げ回数を増やす可能性を示唆しました。先週発表された経済指標は強弱感が入り混じりました。


テグレス・フィナンシャル・パートナーズのエコノミストは、去年、さらには2月の株価調整局面と比べ、環境は複雑だとバロンズにコメントしました。


「ホワイトハウスに敏感」


今週のニューヨーク株式マーケットでは、引き続き貿易をめぐる世界の動き、ホワイトハウスの動きが相場に影響しそうです。


2017年は「トランプ減税」への期待感で上昇基調が続きましたが、税制改革が2017年末に成立したことで織り込み済み。投資家は次の展開を注視しています。


保護貿易への傾斜、穏健派の更迭と保守強硬派の起用、依然として不透明なロシア疑惑の行方。CNBCの人気コメンテーターのジム・クレマー氏は、「トランプ大統領が株式マーケットの脅威になった」と指摘。ホワイトハウスが一段とカオス状態になる可能性に備えたほうがいいとコメントしました。


今週30日金曜日はイースターに絡む「グッドフライデー」でニューヨーク株式マーケットは休場。春休み休暇に入った投資家も多く、薄商いになる可能性があります。アメリカの連邦議会も2週間の休会期間に入りました。


今週のアメリカの経済指標は薄め。決算は月曜日の給与計算大手のペイチェックス、火曜日の食品大手マコーミック、水曜日のドラッグストア大手のウォルグリーンが注目。火曜日には、半導体大手のエヌビディアが投資家説明会を予定しています。


月曜日には、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が講演を予定していて、材料になる可能性があります。


「人事とロシア疑惑」


高校生らが中心となった銃規制の強化を求めるデモ行進や大規模な集会が全米各地で開かれました。


週末の主要メディアが大きく取り上げましたが、同時にトランプ大統領をめぐる報道も多くありました。


トランプ大統領は助言を無視するとしてロシア疑惑に対応していた主任弁護士が先週辞任しました。トランプ大統領が強力な助っ人としてディジェノバ弁護士に声をかけましたが、うまくいかなかったとワシントンポストが伝えました。


また、トランプ大統領は週末を過ごしたフロリダの別荘で閣僚人事をさらに進める考えを示しました。人事刷新がさらに進み、強硬派路線が一段強まりそうです。


今週はまた、トランプ大統領の中国に対する輸入関税賦課の詳細が明らかになる可能性があります。


ホワイトハウス発のニュースが今週も株式相場を動かすかもしれません。


[March 26, 2018 NY 093] 
 

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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