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最高値更新は危険な兆し?

2017/07/17 08:40

「イエレン議長を好感」

ニューヨーク株式相場は先週、再び最高値を更新しました。ダウは1.04%高。ザラ場(取引時間中)と終値の最高値を更新して1週間の取引を終えました。S&P500も1.41%上昇し、最高値をつけました。

フェイスブック、アマゾン、アップル、マイクロソフト、グーグルの親会社のアルファベットの頭文字をとってFAAMGと言いますが、5銘柄が一時集中的に売り込まれました。しかし、先週はいずれも買い戻され、IT関連株全体の上昇をけん引しました。テクノロジー株の寄与度が高いナスダックは先週、2.59%上昇。終値としては過去2番目の高さです。

企業業績が堅調なことに加え、FRBの利上げペースが当初の予想より緩やかになるとの観測が広がったことが株価を押し上げました。FRBのイエレン議長が、先週の議会証言で、バランスシート縮小の開始には積極的な姿勢を示しましたが、追加利上げについては慎重に判断すると述べました。

バロンズは、「9月利上げ」説がほぼなくなったと伝えました。いまは、少なくとも追加利上げは12月の会合まではない、との見方が優勢だとしています。利上げ時期が遅れれば、企業の金利負担への懸念も先送りされることになります。ただ、金利上昇の局面で買われる傾向がある大手銀行株にはネガティブになる可能性があります。

「ハードル高い決算」

主要企業の決算が今週、相次いで発表されます。ダウを構成する30銘柄の中で9社が四半期決算を発表します。GE、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックスが発表を予定しています。個別は当然ですが、マーケット全体の心理にも影響する可能性があります。

第1四半期の決算が予想以上に強かったことで、発表される第2四半期のハードルが上がりました。

経済指標はやや軽めです。ただ、注目指標もあります。

今週のニューヨーク株式相場が、製造業の統計に大きく反応する可能性があるとCNBCが伝えました。ニューヨーク連銀が17日、株式マーケットが開く前に製造業景気指数を発表します。先月の19.8から15.0前後に低下すると予想されています。

今週発表される一連の住宅関連指標も相場に影響する可能性があります。

「最高値の危険度」

最新のバロンズは、ニューヨーク株式相場が最高値を更新し続けることに一部で警戒感が強まっていると伝えました。

株式相場が最高値をつけるとウォール街全体が湧きますが、その興奮がないとしています。特に、大幅な調整がないまま、上昇基調が長期間続くことが懸念されています。

10%程度の下落を調整と言いますが、5%超下げたことがもう1年以上ありません。1950年以降、S&P500が5%超の調整なく上昇したことは、1950年以降で6回しかありません。今回の調整なきブル(強気)相場は1995年以来の長さだとLPLフィナンシャルのストラテジストがバロンズに指摘しました。

恐怖指数と呼ばれるVIXは一桁台。歴史的な低水準が続いています。ただ、ボラティリティが大幅に高まることに対してマーケットが準備できていないため、調整があると影響が大きいとの見方があるとしています。


[July 17, 2017 NY 058]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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