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ベア・スターンズ危機から10年

2017/06/26 08:38

「IT関連株高い」

過去2週間にわたり売られたFAAMG(フェイスブック、アマゾン、アップル、マイクロソフト、グーグル)に代表されるIT関連株が買い戻されました。テクノロジー株の比率が高いナスダックは先週、1.84%上昇しました。

ヘルスケアも買われました。上院共和党が医療保険制度改革(オバマケア)の代替案を提示したことが好感されました。代替案は、下院の案と同様に加入義務を廃しましたが、低所得者向けの保険が縮小されました。さらに、財政負担が大きいことなどから5人の共和党の上院議員が反対、2人が慎重な態度を示しました。定員100人の上院で共和党は52議席を持っています。しかし、このままでは、可決の見込みがありません。マコネル上院院内総務は今週中の採決を目指しますが、非常に不透明です。このため、ヘルスケア株が伸び悩みました。

S&P500は先週、0.21%の上昇にとどまりました。ただ、テクノロジーセクターは2.3%高でした。ダウは上昇しましたが、上昇率はわずか0.05%と、ほぼ横ばいでした。

先週は、原油相場が下落基調にあるため、エネルギー株がさえません。エネルギーセクターは年初から14%下落しています。

バロンズは、ニューヨーク株式マーケットで、ヘルスケアとテクノロジーが大幅に上昇した反面、エネルギー株が下落したことについて、セクターのシフトが進んだと解説しました。

「ナイキとイエレン」

今週は、アメリカの耐久財受注、GDP確定値、PCEコアデフレータなどが発表されます。

決算は、ナイキとマイクロンテクノロジーに注目です。

イエレン議長の発言も材料になりそうです。ロンドンの27日のイベントで講演が予定されています。利上げを決めた今月の会合(FOMC)後の状況をどう見ているのか。今後の金融政策を占う上で注目されています。

APによりますと、S&Pグローバル・レーティングスが、アメリカのイリノイ州の格付けを投資不適格級に引き下げる可能性があると警告しました。年金の赤字が積み上がり、財政事情が悪化しています。州議会が対応を協議していますが、進んでいません。ジャンク債に格下げされた場合、投資家心理が悪化する可能性があります。

「あれから10年」

2007年6月。アメリカの投資銀行5位(当時)のベア・スターンズのサブプライムローン問題が発覚しました。世界的な「金融危機の始まり」とされています。あれから今月で丸10年。

ベア・スターンズのリスクを無視した過剰な投資が表面化したもので、ニューヨーク連銀の緊急融資を受けました。11カ月後の2008年5月30日にJPモルガン・チェースに吸収合併されました。ベア・スターンズが消滅しました。

バロンズは、過去の教訓を忘れるべきではないとするコラムを掲載しました。株価が最高値水準で取引されるなど、リスク選好ムードがあります。その一方で、米10年債利回りが低下、2.15%を下回りました。こちらは、リスク回避もしくは安全資産への逃避と言えます。

バロンズは、10年前の状況が繰り返されると心配するのは早すぎるかもしれないが、過去を無視することは新たなリスクを生むと警鐘を鳴らしました。

恐怖指数と呼ばれるVIXが引き続き記録的な低水準にあることも不気味だとの指摘もあります。


 [June 26, 2017 NY 055] 

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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