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FRBと雇用統計、そして米中首脳会談

2017/04/03 09:02

「6四半期連続の上昇」

ニューヨーク株式市場を代表する株価指標のダウは、今年の第1四半期に4.6%上昇しました。6四半期連続の上昇。この数字だけみると「トランプラリー」が継続しているように思えます。しかし、上昇のほとんどは1月と2月前半のもので、四半期の後半は勢いがありませんでした。ダウの先週1週間の上昇率は0.32%にとどまりました。
 
「トランプ相場が死んだ。しかし、マーケットはさほど気にしていないようだ」とバロンズが伝えました。医療保険制度の改廃が失敗したことなどでトランプ大統領の政策への期待がやや後退したが、経済が強いとしています。アメリカだけではなく、世界的に経済が堅調なことが株式相場を支えているとしています。

「雇用統計とNY連銀総裁」

今週は、株式相場に影響しそうな材料が豊富です。

材料視されているのがニューヨーク連銀のダドリー総裁。3日にニューヨークで記者ブリーフィングを主催、7日金曜日にニューヨークのプリンストン・クラブで発言する機会があります。先週は、ややハト派的な発言をしましたが、景気認識や金融政策に関してどう発言するかが注目です。今週はまた、リッチモンド地区連銀のラッカー総裁ら3人のFRB幹部が講演を予定しています。

金融政策にも影響する重要な経済指標も相次いで発表されます。特に、3日発表のISM製造業指数と7日の雇用統計が注目されています。

ヘッジファンドの元ファンドマネジャーでCNBCの人気コメンテーターのジム・クレイマー氏は、強い雇用統計が発表されると予想するが、今後の見通しについては見方が分かれそうだとコメントしました。その上で、悲観的な見方が強まれば株式相場が下落すると予想するが、絶好の買いタイミングになるとしています。

「貿易問題」

アメリカのトランプ大統領は先週末、貿易赤字の削減を目指す大統領令に署名しました。ロス商務長官と通商代表部(USTR)に対し90日以内に貿易赤字の要因を徹底的に調べさせ、関税が不公平でないか、貿易相手国の輸出補助金でアメリカが不利になっていないかなどを分析させるという内容です。通貨安を誘導し輸出を有利にしてないかなども分析されるとみられます。

貿易に関する大統領令が出されたのは、米中首脳会談の1週間前というタイミングでした。トランプ大統領は、今週6日と7日、フロリダ州にある大統領の別荘に中国の習近平国家主席を招き、初めての首脳会談を行います。

習近平主席との初会談を前に、トランプ大統領は「会談は非常に難しいものになる」とツイッターでつぶやきました。

トランプ政権が保護主義色を強めるのではないか、と貿易相手国が警戒しています。しかし、ウォール・ストリート・ジャーナルは、選挙戦で繰り広げたトランプ大統領の貿易相手国への強い批判が後退していると解説しました。それを反映して、メキシコペソが第1四半期(1-3月)に新興国通貨の中で最大の反発を示し、株式マーケットでは、貿易に敏感なテクノロジー株が大幅に上昇したとしています。

ニューヨーク・タイムズによりますと、米中首脳会談に向けた調整は、中国の在米大使とトランプ大統領の娘婿のジャレット・クシュナー補佐官の2人を中心に進められています。「一つの中国」にこだわらないとしていたトランプ大統領を説得し、2月の習近平主席との電話会談をスムーズにしたのはクシュナー補佐官だと指摘されています。クシュナー氏の助言を受け、首脳会談でトランプ大統領が「中国は為替操作国だ」などと激しく批判せず、慎重な姿勢で会談に臨む可能性が高そうです。


 [April 3, 2017 NY 043] 

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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