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トランプ政策期待再び

2017/02/13 08:26

「最高値更新」

ニューヨーク株式相場が再び「トランプラリー」モードに戻りました。

投資家は迷っていました。先週水曜日までは方向感がありませんでした。狭いレンジを行ったり来たり。それが9日木曜日に変わりました。きっかけはトランプ大統領の航空各社のCEOとの会合での発言。「2、3週間以内に目を見張るような税制案を発表する」と述べました。

イスラム圏7カ国の入国を一時禁止する移民政策、TPPからの永久離脱やNAFTA(北米自由貿易協定)の見直し。保護主義的な政策が先行したため、トランプ大統領の景気刺激への期待がしぼんでいた中で、大型減税を示唆する発言は、投資家マインドを改善させるには十分でした。「トランプラリー」が再開したとも言えます。

ダウは木、金と2日続伸、週間ベースで0.99%上昇しました。そして、S&P500は0.81%高、ナスダックは1.19%上昇。いずれも最高値を更新しました。

ただ、個別には、決算が弱かったバイオ関連大手のギリアドが急落。2017年の業績見通しが予想と比べて慎重だったGMも大幅安でした。去年11月の大統領選以降、トランプ政権への期待があまりにも大きかったため、企業業績やファンダメンタルズが無視されたと指摘されています。今後は、企業の業績をにらんで、やや慎重さが増すかもしれません。

「政策と決算」

今週のニューヨーク株式市場は、引き続きトランプ大統領の発言に左右されるとみられます。安倍首相との会談後の記者会見で、移民政策に関する新たな発表をすると述べました。減税に関しても、より具体的な発言をするかどうかが注目です。

CNBCのコメンテーターのジム・クレマー氏は、ニューヨーク株式市場の堅調さが今週も続く可能性があると予想しています。トランプ大統領のツィートと決算に注目。米国債利回りが上昇し、原油相場が上がれば、株式相場も高く推移するだろうとコメントしました。
決算では、月曜日の医薬品大手ティバ、火曜日のTモーバイルとAIG、水曜日のシスコシステムズ、アプライドマテイラルズ、ペプシコ、そして、金曜日のキャンベルスープなどが注目です。

今週14日には、FRBのイエレン議長が議会で証言を予定しているほか、3人の連銀総裁が講演します。相場に影響する可能性があります。

アメリカの経済指標は15日に発表が集中しています。小売売上高や消費者物価指数などが材料になりそうです。

「安堵」

日米首脳会談が終わりました。日本の首相の訪米を欧米メディアが今回ほど大きく報じたことは、筆者が知る限り過去に例がありません。首脳会談後の記者会見をケーブルテレビだけではなく、主要ネットワークが番組を中断して中継したことは異例中の異例です。日本が注目されたというより、トランプ大統領が同盟国にどう接するか、どう発言するかに注目が集まりました。

結果は予想外に「普通」でした。トランプ大統領は日米同盟を強化すると明言、貿易でも金融政策でも日本を批判することはありませんでした。

フィナンシャル・タイムズは、トランプ大統領がより伝統的な外交姿勢を示し、安堵感が広がったと報じました。とりわけ、安倍首相との2日間にわたる首脳会談で、意見の食い違いがなかったことは、注目に値するとしています。

今回の首脳会談の詳細は不明な部分が多くあります。特に、フロリダの別荘での2日目のやり取りのほとんどが明らかになっていません。今後、少しずつ内容が出てくる可能性があり、注目です。


[February 13, 2017 NY 036] 

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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