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「ダウの犬」戦略

2016/10/24 14:50

「様子見」

ニューヨーク株式相場は先週、1週間を通して小幅な値動きでした。有力企業の決算発表やFRB幹部の講演など、材料は豊富にありました。しかし、売買高は低調でした。

ダウは先週、前週比で7ドルもしくは0.04%上昇、1万8145ドルで取引を終えました。S&P500は0.38%上昇、ナスダックは0.83%上げました。

ダウの上昇率がS&P500やナスダックより低いのはドル高が影響したとされています。ダウはわずか30の国際的な大手企業によって構成されています。為替の影響に非常に敏感です。

投資家が注視するドル指数はユーロドルの寄与度が圧倒的に高い。ECB理事会後の会見でドラギ総裁が「資産買い入れプログラムの縮小検討」報道を否定、12月のQE(量的緩和)の延長を示唆したことで、ユーロは先週対ドルで大幅に下落しました。ドルは対円で小動きでしたが、ドル指数は大幅に上昇しました。これがダウの上値を抑えました。

一方で、フランクフルトやパリなどユーロ圏の株式相場はドルに換算すると割安になったため、ニューヨークより堅調に推移しました。こちらもユーロ安ドル高が影響しました。

Barron’sは、アメリカの大統領選を控え、多くの投資家が様子見に徹していると伝えました。「わいせつ行為」報道や暴言などで共和党候補のトランプ氏の支持率が低下、民主党候補のクリントン氏が選挙で勝利する可能性が高いとの見方が優勢です。しかし、選挙が終わるまで何が起こるかわからない。慎重な投資家が積極的な売買を控えています。

「テクノロジーに注目」

ニューヨーク株式市場の今週の注目は引き続き企業決算です。今週、ピークを迎えます。特に、火曜日のアップルと木曜日のアルファベット(グーグルの親会社)の決算が最も注目されています。アマゾン、AT&Tなどの決算も相場全体に影響する可能性があります。AT&Tが週末、タイムワーナーを854億ドル(約8兆8600億円)で買収することを発表しました。週明け月曜日は、通信株とメディア株の動きが注目されます。

経済指標では金曜日発表のアメリカの第3四半期のGDP速報値が材料視されています。

ただ、FRBの会合を翌週の2日、そしてアメリカ大統領選を翌々週の8日に控え、先週同様に様子見する投資家が引き続き多いことも予想されます。時価総額が大きいため、アップルなどが動くと指数が振れますが、全体の売買高は増えない可能性があると指摘されています。

「好調なダウの犬」

Barron’sの最新号は、「Dogs of Dow(ダウの犬)」の戦略でもうけている投資家がいると伝えました。ダウを構成する30銘柄の中で高配当の10銘柄に資金を均等配分、年末に買い、1年間保有し続けるという単純な戦略。10銘柄の年初からの上昇率は11.7%。これに対しダウの上昇率は4.2%、残り20銘柄の上昇率は1.6%にとどまっています。

dogsofthedow.comによりますと、過去10年間の平均上昇率は年10.6%、ダウの平均上昇率9.1%を上回っています。「ダウの犬」戦略で長年投資している投資家は、「犬の10社」の配当は3.7%で、米10年債の利回りより大幅に高いとしています。Barron’sによりますと、この投資家が運用するHennessy Total Returnは資金の75%を「ダウの犬」に配分、残り25%を米国債で運用しているそうです。
 
 [October 24, 2016 NY 021] 

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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