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10月は強いか、荒れるか

2016/09/26 13:21

「FOMCを好感」

先週のニューヨーク株式相場は終盤に失速しました。ただ、1週間を通してみると堅調でした。注目を集めたFRBの会合が金利据え置きを決めたことを好感した買いが相場を押し上げました。

ダウは、週間ベースで138ドルもしくは0.8%上昇し、18261ドルで取引を終えました。S&P500は26ポイントもしくは1.2%上昇、ナスダックも1.2%高でした。ナスダックは22日木曜日に過去最高値を更新しました。

アメリカの経済指標は強弱感が入り混じりました。全体を通して緩やかに成長していることが確認されました。経済が緩やかに拡大、ただ、FRBが利上げするほど強くない。 ニューヨーク株式市場を取り巻くいまの状況を株式市場がエンジョイしているように見えます。

「TV討論会」

歴史的に「株安の月」とされる9月の取引が今週で最後になります。月間ベースで上昇した場合、歴史的には10月は株高になっています。そういう意味で、今週の相場は重要と言えます。

今週の最大の注目は、26日にCNNなどがホスト役を担う 1回目のアメリカ大統領候補のテレビ討論です。民主党のヒラリー・クリントン氏と共和党のドナルド・トランプ氏の2人の有力候補が幅広い争点で論戦を交わします。

討論会は、特定の株式、業種にとってネガティブに影響する可能性があるとみられています。特に、クリントン候補が繰り返し批判している「高額な薬価」や刑事事件に発展した大手銀ウェルズ・ファーゴの不正販売問題で議論が白熱した場合、医薬品株や金融株に影響する可能性が指摘されています。

今週、もう1つ注目されているのが、28日にアルジェリアで開かれるOPECの非公式会合です。生産調整への合意が期待されますが、最大産油国のサウジアラビアが「合意しない方向」と伝えられたため、期待値が下がりました。

9月のFOMCが終わり、FRB幹部が発言を控える「ブラックアウト期間」が明けました。多くのFRB幹部が今週演説を予定していますが、最大の注目は28日のイエレン議長の講演です。10月はFOMCがなく、次は大統領選の直前の11月会合。そして年内は12月にもFOMCが開かれます。「12月利上げ」予想が根強くありますが、イエレン議長の発言が利上げ見通しに影響する可能性もあります。

企業決算では、26日のナイキ、そして28日のコストコが注目です。

元ヘッジファンドのマネジャーで、CNBCのアンカーであるジム・クレイマー氏は、10月は一部の海外の株式相場が急落するリスクがあるとコメントしました。

 「大統領選と株価」

今週26日に続き、来週10月4日には副大統領候補によるテレビ討論が実施されます。さらに、10月9日に2回目の大統領候補のテレビ討論、10月19日には最後となる3回目の大統領候補の討論会が予定されています。

ストラテガス・リサーチ・パートナーズの政治研究の責任者は、第1回目のテレビ討論会が最も重要だとBarron’sの最新号にコメントしました。

1928年以降の22回の大統領選と株価の関係を分析したところ、1回目の討論会の結果が株価に最も影響するとしています。特に、接戦の場合にその傾向が強いとしています。The Washington PostとABCニュースが実施した最新の世論調査では、クリントン氏とトランプ氏の支持率がきっ抗しました。引き分けを意味する「dead heat(デッドヒート)」と表現しています。

26日の討論会でクリントン氏が優勢となった場合、短期的に株価全体が上昇するとストラテガス・リサーチの分析が示しています。そして、トランプ氏の支持率が討論会後に上がった場合は、株価が「トランプ勝利」を織り込み始めるとしています。その場合、株価が一時的に下がると予想されています。

The New York Timesは25日、クリントン支持を表明、トランプ氏は近代の歴史で最悪の大統領候補だとする社説を掲載しました。
 
 [September 26, 2016 NY 017] 

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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