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最高値圏、維持できるか

2016/07/25 13:56

「S&P500は最高値」

先週のニューヨーク株式市場は、主要株価指数が最高値圏で推移しました。上がったり下がったりしましたが、S&P500は週間ベースで0.6%上昇し2175で取引を終えました。過去最高値を更新しました。ダウは0.3%高の1万8595で終了、13日につけた最高値をわずかながら下回って1週間を終えました。ナスダックは、1.4%高の 5100でした。

運輸関連企業の一部と半導体大手インテルの4−6月期の決算が弱めでしたが、マイクロソフトの強い決算が影響を相殺しました。

アメリカの経済指標は堅調。22日に発表された製造業の購買担当者指数が過去9か月で最高水準に上昇、予想を上回りました。

アメリカ経済の堅調さを示すデータの発表が相次ぎ、FRBが年内に利上げするとの観測が広がりました。Brexit(イギリスのEU離脱)の問題は今後数年続く見通し。いずれも株式市場にネガティブですが、いまの相場には勢いがあるとの指摘が少なくありません。恐怖指数であるVIXが過去2年で最も低い水準で推移していることが、それを物語っています。

「アップル決算に注目」

7月も終盤になりました。8月は夏枯れ、9月は株価が下落する傾向が強いと歴史が語っています。今週から警戒感がじわり広がる可能性があります。

今週の株式市場の全体の心理に最も影響しそうなのが大手テクノロジー企業の決算発表です。アップル(26日)、フェイスブック(27日)、アマゾンとグーグル(28日)がそれぞれ取引終了後に決算を発表します。特に、1−3月期の決算が弱かったアップルの決算が注目です。

26-27日に開かれるFRBが金融政策を決めるFOMCについては、金利据え置き予想が優勢ですが、将来の利上げの可能性を示唆するかが注目されています。29日発表のアメリカの第2四半期のGDPも材料になるとみられます。予想を上回れば、株価は素直に好感しそうです。

「民主党大会」

Barron’sの最新号の表紙、巻頭記事は処方薬を提供している企業に関するものでした。

日本人が想像する以上にアメリカの医療費は高額です。薬も高い。保険が薬代をカバーするのですが、その医療保険が高額で企業の重い負担になっています。標準的な4人家族の1カ月あたりの保険代は日本円で約15万円程度に達することがあります。年間の負担額は180〜200万円になる計算。個人で入る場合はさらに高く、保険のカバー率が低い安価な保険しか買えない世帯が多いです。

記事は、アメリカン・エキスプレスやコカ・コーラなどの大企業が、処方薬の価格を下げるよう保険会社や処方薬提供大手に圧力をかけているという内容でした。

医薬品をめぐっては、民主党の大統領候補指名が確実なクリントン前国務長官が去年、異常に高い価格を徹底的に追及すると発言しました。一錠あたり日本円で10万円もするバイオ企業の薬の価格を批判したものです。発言を受け、バイオ関連銘柄が急落しました。

今週は、フィラデルフィアで民主党の党大会が開かれます。クリントン氏に連日スポットライトが当たります。クリントン氏は、医療保険制度を改革したオバマ大統領の政策を引き継ぐ方向です。制度には依然として批判が多く、さらに踏み込んだ改革の必要性を主張する可能性があります。バイオ株や医薬品関連株が乱高下、相場全体に影響する可能性があります。

 [July 25, 2016 NY 008]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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