週刊2分でわかるNYダウNYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

やや軟調との見方も、テーマは政治と決算

2016/07/18 15:52

「高値更新」

ニューヨーク株式相場は、2015年5月につけた高値を数回トライました。そして先週、ダウとS&P500の2つの主要な株価指数が過去最高値を更新しました。

アメリカと中国の経済指標が堅調。Brexit(イギリスのEU離脱)に対する極度の懸念が後退(まだ何も解決していませんが)。世界の中央銀行が超低金利を当面維持するとの観測などが背景です。

ダウは、週間ベースで370ドル上昇、過去最高値の1万8516で1週間の取引を終えました。上昇率は2%でした。S&P500は32ポイント、1.5%の上昇。最高値を記録した14日の水準から小幅安の2161で週を締めくくりました。一方、ナスダックは1週間で1.5%高の5029。最高値はまだ先ですが、年初来高値水準で推移しました。

売買高は多めでした。その他のテクニカル指標も強め。幅広い小型株で構成されるラッセル2000が、イギリスの国民投票後に11%も上昇しました。大型株の指数を上回る上昇率。ニューヨーク株式市場のモメンタムの強さを示しています。

「上昇続くか」

高値を更新すると達成感から株価が下げに転じることが過去に何度もありました。株価収益率PERは約18倍と歴史的に高水準にあります。現在のブル(強気もしくは上昇)相場は7年目。これについて、Barron’sの18日付け最新号は、多くのマーケット参加者がブル相場はまだ終わらないと信じていると伝えました。イギリスの国民投票後の上昇相場に個人投資家がほとんど参加していないことも「上昇基調が続く」との見方を後押ししているとしています。

一方、CNBCのコメンテーターは、大手銀行の決算が強く、見通しではBrexitにほとんど触れていないと指摘しました。その上で、株価は、今週相次いで発表される海外の売上高のシェアが大きい大手企業の決算に左右されそうだとの見通しを示しました。高値を更新した反動から、今週はやや軟調になっても驚かないとしています。

今週は、マイクロソフト、インテル、GEなどの決算、業績見通しが発表されます。市場の心理に影響するとみられます。ゴールドマン・サックス、アメリカン・エキスプレス、ジョンソン&ジョンソンなども今週、決算発表を予定しています。

今週のアメリカの経済指標はやや小粒。指標より、クリーブランドで開かれる共和党の党大会が相場に影響する可能性があります。トランプ氏が本選で勝利するとの見方が少なくないため、経済、貿易などの政策に関する大統領候補のトランプ氏、そして副大統領候補に指名されたインディアナ州のマイク・ペンス知事の発言に注目が集まっています。大会で共和党が結束するかどうかも焦点です。

今週のニューヨーク株式市場は、企業業績と政治が主要テーマになります。

「トルコの影響」

「2分でわかるトルコ」でも書きましたが、15日夜に発生したトルコのクーデター未遂事件は「ローカル」な問題であり、海外市場への影響は限定的との見方が優勢です。

ブラウン・ブラーザーズ・ハリマンのストラテジストは、「NATO加盟国のトルコは政治的には重要な国だが、経済的には重要ではない」とCNBCにコメントしました。

クーデター未遂事件が起きた15日の取引終了前、ニューヨークでは、リスク回避で米国債が買われ、金相場が上昇しました。株式の先物相場が一時大幅安で取引されましたが、持ち直しています。

トルコは当面、不安定な状況が続くとみられます。影響は、ニューヨーク市場より、地理的に近く、経済関係が深く、難民問題にも影響するヨーロッパの市場に影響する可能性が指摘されています。

[July 18, 2016 NY 007]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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