松島新の週刊2分でわかるNYダウNYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

ベア相場目前、底探る動きも

2022/05/16 07:27

急落後に急伸。アメリ株式市場のボラティリティ(変動)が大きくなっています。アメリカの連邦準備理事会(FRB)が緩和から引き締めに転じたのがきっかけ。インフレ抑制のため積極的に利上げし景気の腰を折るのではないかと警戒感が広がりました。

ダウ工業株30種平均は前週末比2.1%下落。S&P500種株価指数は2.4%安。テクノロジー株の比重が大きいナスダック総合株価指数は週間ベースで2.8%下げて先週の取引を終えました。

12日木曜日は売りが売りを呼ぶ展開でした。主要3指数はいずれも急落。翌13日金曜日は急反発しました。底を打ったとの見方が一部ありますが、まだ自信をもてないようにみえます。プロの投資家がベンチマーク(指標)にするS&P500は直近高値から19.6%下げました。一般的に下落率が20%を超えるとベア(弱気)相場と定義されます。アメリカ株式相場はベア入りするか、食い留まるかの転換点にあります。

投資情報誌バロンズによりますと、S&P500の19%下落は1957年以降に15回ありました。うち5回は底打ちとなり、その後の12カ月の平均上昇率は23%でした。5回はベア相場入りし平均で32%下落。8回はリセッション(景気後退)に陥りました。

CNNマネーの恐怖&強欲指数は12。「極端な恐怖」の領域にあり、売られ過ぎを示しています。ニューヨーク証券取引所の騰落数を指数化したTICK指数も売られ過ぎを示唆。バロンズは少なくとも短期的には株式相場が一段安になるとは考えにくいと伝えました。

「短期反発も」

今週のアメリカ株式市場は、株式相場の反発が継続するかが焦点。CNBCは、3月下旬から続く株安地合いから上昇基調に転じる可能性があると伝えました。

FRBの政策に注目が集まる中、パウエル議長が17日にウォール・ストリート・ジャーナルのイベントで発言する機会があります。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁、フィラデルフィア地区連銀のハーカ―総裁、クリーブランド地区連銀のメスター総裁、シカゴ地区連銀のエバンス総裁が講演を予定しています。

大手小売りの四半期決算が市場全体に影響する可能性があります。ウォルマート、ホームデポ、ターゲット、TJX、コールズ、ロスストアなどが決算発表を予定。17日発表の小売売上高が材料になりそうです。金利上昇の影響が警戒される住宅関連の指標も発表されます。

「まだ割高」

ウォール・ストリート・ジャーナルは週末、アメリカ株は年初から過去50年で最悪のスタートを切ったが、株価水準はまだ割高だと報じました。S&P500は年初から16%下落、今後12カ月の利益で計算する株価収益率(PER)は16.8倍としています。2020年9月の24.1倍から下がったものの、過去20年の平均15.7倍を依然上回っているとしています。

ドットコムバブル期の2020年3月のPERは26.2倍。2002年までに1年後の利益予想の14.2倍に下がったとしています。リーマンショックもしくは金融危機があった2008年には深刻な景気後退に陥り、PERは8.8倍まで下がったと説明。歴史的視点では、S&P500はまだ下落余地が大きいとウォール・ストリート・ジャーナルは解説しました。

[May 15 2022 NY 306]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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