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1970年代より大きい下げ、バフェット氏が狙う

2022/05/02 07:32

アメリカの株式相場が大きく崩れました。投資情報誌バロンズは、年初から4月末までの株価下落率は石油ショック・高インフレが深刻化した1970年代より大きいと指摘。今年の下落率より大きかったのは世界大恐慌後の1930年代しかないと伝えました。S&P500種株価指数の1~4月の下落率は13%、1939年以降で最悪だとしています。

S&P500は先週3.3%下落しました。ダウ工業株30種平均は週間ベースで2.5%安。ナスダック総合株価指数は3.9%安。直近高値から20%下げていて、ナスダックはベア(弱気)の領域にあります。

連邦準備理事会(FRB)がインフレの目安として重視する3月の個人消費支出(PCE)コア価格指数は前年同月比5.2%上昇しました。労働省が発表した第1四半期(1~3月)の雇用コスト指数は前期比1.4%上昇。統計を開始して以降で最大の伸び。FRBが速いペースで利上げするとの観測が強まりました。CMEフェドウォッチは、5月の0.5%利上げ、6月の0.75%利上げ、7月の0.5%利上げの確率が80%超あることを示唆しています。

中国の新型コロナウイルスの感染拡大を受けたロックダウン(都市封鎖)への懸念も株売りを誘いました。最大商業都市上海のロックダウンは1カ月以上に渡り、解除される兆しはない。首都北京も近くロックダウンが導入する可能性がある。中国経済は失速、サプライチェーンがさらに混乱するとの警戒が広がりました。ウクライナにおける戦争は長期化するとの見方が増えています。停戦交渉は進まず、西側とロシアの緊張は高まるばかり。第3次世界大戦という最悪シナリオが市場で意識されています。

「FOMCと決算」

今週から5月相場入り。「セルインメイ・アンド・ゴーアウェイ」というウォール街の格言は、歴史的に5月の株式相場が軟調に展開する可能性を示唆しています。CNBCは、一部のメトリックスと市場行動はハイテク株が十分に売られたことを示唆していると伝えました。格言通りになるか。5月第1週の相場の方向はFRBと決算が決めることになりそうです。

FRBは3~4日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催します。0.5%利上げは確実視され、ブレイナード副議長の発言などを手掛かりにバランスシートの縮小、いわゆる量的引き締め(QT)を決めると予想されています。FOMCが終了する4日のパウエル議長の記者会見が材料になる可能性があります。FOMC後の米国債利回りの動きが株式相場を動かしそうです。

主要企業の決算が相次ぎます。ファイザー、モデルナ、バイオジェン、AMD、スターバックス、ウーバーなどが四半期決算を予定。重要な経済指標の発表も少なくありません。特に6日発表の4月雇用統計が材料になるとみられます。

「バフェット氏」

著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイは30日、定例株式総会を開きました。CNBCによりますと、バフェット氏は「ウォール街は株式市場をギャンブルの場にしてしまった」と述べ、投機的な動きを批判しました。

FTは、バークシャー・ハザウェイがアメリカ株式市場に大きく賭けたと報じました。第1四半期に511億ドル(約6兆6000億円)をアメリカ株式市場に投資したとしています。バリュエーションの高さから過去2年は株式の売り手だったが、方針を劇的に転換したと伝えました。

[May 01 2022 NY 304]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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