松島新の週刊2分でわかるNYダウNYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

FRBと決算にらむ、投資家は慎重

2022/04/18 07:25

イースターを控え4日間の短縮取引となった先週のアメリカ株式市場は軟調でした。ダウ工業株30種平均は週間ベースで0.8%安。S&P500種株価指数は2.1%安。ナスダック総合株価指数は前週末比2.6%下落しました。金利に敏感なグロース株のシェアが大きいナスダックの下落率の大きさが目立ちました。

長期金利の指標である米10年物国債の利回りが大幅上昇したことが影響しました。3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.5%上昇と40年ぶり高水準。連邦準備理事会(FRB)を代表するエコノミストであるブレイナード理事とニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁がいずれもタカ派な発言をしました。連邦公開市場委員会(FOMC)の5月の0.50%利上げが確実視され、量的引き締め(QT)着手を決めるとの観測が強まりました。

「ダウ7銘柄」

今週のアメリカ株式市場は材料が豊富です。多数の主要企業が四半期決算を発表します。IMF年次総会がワシントンで開催され、FRBのパウエル議長が発言する機会があります。複数のFRB高官の講演が予定されています。経済指標では住宅関連と購買担当者景気指数(PMI)が材料になる可能性があります。

四半期決算を予定しているのは、ダウ構成7銘柄、バンク・オブ・アメリカ、テスラ、ネットフリックス、スナップ、ユナイテッド航空など。特にガイダンス(業績見通し)が注目されています。

CNBCは、好決算が発表されてもFRBの積極的な金融引き締めが意識され、今週の株式相場は不安定になる可能性があるとの見通しを伝えました。

「セルインメイ」

投資情報誌バロンズは最新号で「セルインメイ(5月に売れ)」という格言が示す戦略が今年はベストかもしれないと解説しました。1980年以降に年初からの4カ月間で株式相場が下落した年の40%は、5月~9月までの期間に株式相場が軟調だったとしています。平均下落率は1.5%でした。

株式市場の当面の最大の材料は5月3~4日のFOMC。日本のゴールデンウィーク中のイベントでタカ派メッセージが発せられれば、ハイテク銘柄などグロース株を圧迫することが予想されます。ロシアの国債元本・利払いの猶予期間は5月4日に切れます。デフォルト(債務不履行)が意識されそう。

ウクライナ情勢も株式市場に影響する可能性があります。ウクライナ軍のミサイル2発が命中したロシアの黒海旗艦「モスクワ」が沈没。ロシア軍は反撃を強化、首都キーウへのミサイル攻撃を再開、ウクライナ東部では地上戦を強化しました。ロシアのプーチン大統領は5月9日の戦勝記念日で「勝利宣言」したい意向でロシアの猛反撃が予想されます。新型コロナウイルスの感染がアメリカ東海岸で再拡大する兆候があります。死者数と入院患者数が依然減少傾向にあるため警戒感は高くないものの、規制緩和がやや遅れる可能性があります。

4月の後半は重要イベントを控え投資家が動きにくい環境にあるといえます。

[APRIL 17 2022 NY 302]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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