松島新の週刊2分でわかるNYダウNYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

最大リスクはFRBにあらず

2022/01/17 07:32

「ダウ週間0.9%下落」

2022年第2週目のアメリカ株式市場は大きく売られた印象があります。ただ、ナスダック総合株価指数の週間ベースの下落率は0.3%にとどまりました。S&P500種株価指数も前週末比0.3%安。ダウ工業株30種平均は前週比0.9%下落しました。

ダウの下落率が大きいのは2つの構成銘柄の影響が大きい。割高とされるクラウド・サービスのセールスフォース・ドットコムは先週1.6%下落しました。銀行最大手のJPモルガン・チェースは14日の取引で6.1%下げました。四半期決算は予想を上回ったものの、コスト増への警戒を示しました。好材料は織り込み済み、悪い材料に投資家が敏感に反応しました。

連邦準備理事会(FRB)は3月に利上げを開始、年内に4回程度の利上げを実施すると幅広く予想されています。利上げは織り込み済み。投資情報誌バロンズは、株式市場の最大リスクはFRBではなく、決算だと解説しました。

「決算本格化」

17日月曜日はキング牧師の誕生日で連邦祝日。アメリカの株式市場は休場で、今週は4日間だけの取引になります。

四半期決算の発表が本格化します。18日はゴールドマン・サックス、チャールズ・シュワブ、運輸のJBハント・トランポートなどが発表。19日は、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、P&G、ユナイテッド・ヘルス、アルコアなど。20日には、ネットフリックス、鉄道のユナイテッド・パシフィック、アメリカン航空などが決算。21日は石油関連のシュルンベルジュやアリ・フィナンシャルなどが決算発表を予定しています。

経済指標は軽めです。ニューヨーク連銀の製造業指数や住宅関連の指標など。連邦準備理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)を翌週に控え高官の公での発言が禁止されるブラックアウト期間に入ります。

CNBCは、決算とバリュー株の動向が株式市場の試練になるとの見通しを伝えました。FRBはブラックアウト期間のため、今週の債券市場は静かな動きが予想されるとしています。

「難しい年」

大幅な相場上昇が3年続いたアメリカ株式市場。FRBが金融引き締めに転じると予想されることから今年は状況が変わると見方が優勢です。有力なストラテジストによるバロンズ恒例のラウンドテーブルでは、S&P500の今年の上昇率は歴史的な平均に近い8%に留まるとの予想が中央値でした。高いリターンは期待できないものの、長期投資では買い場になる、「バーゲンハント」の1年になると専門家はみています。

ゴールドマン・サックスのベテラン・ストラテジスト、アビー・コーエン氏は、今年のアメリカ経済は3%程度の成長になり、FRBは3回もしくは4回利上げすると予想。米国債利回りは政策金利ほどのペースで上昇しないだろうと述べました。パーナサス・コア・エクィティ・ファンドのトッド・アールステン氏は、株式相場が20%下落する可能性があるものの、インフレは落ち着き、株価は年末までに回復すると予想しました。

[JANURARY 16 2022 NY289]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

  • ※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • ※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • ※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • ※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

タイトル一覧(月別)

topへ