松島新の週刊2分でわかるNYダウNYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

不安定な展開続く可能性

2021/12/06 07:31

「ジェットコースター」

アメリカ株式市場はジェットコースターのように上下する不安定な展開が続いています。月曜日は大幅上昇、火曜日が急落、水曜日に続落、木曜日は急反発、金曜日に再び下落しました。不安定な展開が続き、直近高値から10%超下落する調整局面が視野に入ったと一部で指摘されました。

ダウ工業株30種平均は前週末比319ドル安、率にして0.9%下落。S&P500種株価指数は前週比1.2%安。ナスダック総合株価指数は2.6%下落。中小型株の指数であるラッセル2000種株価指数は週間ベースで3.9%安と急落しました。

新型コロナウイルスのオミクロン型変異種の感染がアメリカで確認されたことが心理を圧迫しました。デルタ型変異種の感染が抑制し、経済回復への期待が高まっていたタイミングでのネガティブ材料に市場が反応しました。

投資情報誌バロンズは、オミクロン株より連邦準備理事会(FRB)の金融政策の方が株価に影響したと報じました。FRBのパウエル議長が、議会証言で、過去の慎重姿勢を転換、テーパリング(量的緩和の縮小)加速を議論すると述べ、早期利上げを示唆しました。タカ派な発言に投資家が動揺しました。

「ブラックアウト期間」

CNBCは、今週のアメリカ株式相場は引き続きボラティリティが高い展開になる可能性があると伝えました。投資家はオミクロン株をめぐるニュースを注視、FRBの金融政策をめぐる観測が相場を動かしそうだとしています。

連邦公開市場委員会(FOMC)を12月14~15日に控え、FRB高官は公の場での発言が禁じられるブラックアウト期間に入りました。FRBの金融政策を占う上で10日発表の11月消費者物価指数(CPI)が注目。ダウ・ジョーンズがまとめた予想中央値は前月比0.6%上昇。前年同月比は10月の6.2%から6.7%に加速すると予想されています。

ブラックフライデーは期待外れで小売株は軟調。今週は小売り大手のコストコ、住宅大手のトールブラザーズ、食品大手のキャンベルスープなどが四半期決算の発表を予定しています。

[ビットコイン急落]

投資家の恐怖を表す指数は複数あります。代表的なのはVIX。先週の取引で乱高下、投資家の心理の振れの大きさを示しました。CNNマネーの恐怖&強欲指数は5日時点で20。恐怖度が非常に高いことを示唆しています。

株式指数ではラッセル2000。感謝祭翌日のブラックフライデー以降に7.4%下落しました。外国為替市場では米ドル/円が心理に敏感に反応する傾向が強まっています。投資家の恐怖が高まると逃避の円買いが増えるパターンが多いです。

暗号資産のビットコインの相場も投資家心理に非常に敏感とされています。3日のアメリカ株式相場は急落、取引終了後にビットコイン売りが膨らみ一時20%超下落しました。時価総額が2番目に大きいイーサリアム、ソラナ、ドッジコイン、シバイヌコインも急落しました。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、ビットコインや他の仮想通貨の急落は投資家がリスク資産から資金を引き揚げていることの兆しだと報じました。オミクロン株の感染拡大とFRBの引き締め観測が影響、レバレッジをかけた取引が増えたことも急落に寄与したとしています。オミクロンとFRB政策の2大テーマが投資家心理を揺さぶっています。

[DECEMBER 05, 2021 NY283]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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