週刊2分でわかるNYダウNYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

米国債利回り上昇で揺れた米株式市場

2021/03/01 11:25

「FRBめぐる観測」

アメリカの長期金利の急上昇が強く意識され、先週のアメリカ株式相場は大きく振れました。

新規失業保険申請件数は大きく改善し、耐久財受注は市場予想を上振れました。また、新型コロナウイルスのアメリカ国内の感染者と死者の増加ペースは鈍化傾向が継続。連邦議会下院は大型のコロナ経済対策法案を可決しました。いずれも株式にとってポジティブなものでした。

問題は債券市場。長期金利の指標である米10年物国債利回りが急上昇し、一時1.6%台に乗せました。連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が「利回り上昇は景気回復の信頼感の高まりを示すもの」と議会で証言。地区連銀の総裁は相次いで「利回り上昇に関してFRBの対応は不要」と発言しました。株価は週末にかけて下げ幅が拡大しました。米7年債の入札が不調だったことも株安に寄与。FRBが想定より早く超緩和策の修正に動く可能性があるとの見方も影響しました。

ダウ工業株30種平均は前週末比で561ポイント、率にして1.8%下落しました。S&P500種株価指数は2.4%安。ナスダック総合株価指数は4.9%安と、大幅に下落しました。

基本的には米国債の利回りは株式にネガティブに影響するとされています。米10年物国債の利回りに連動する住宅ローン金利や法人ローンの金利の上昇を誘発し、企業の資金調達の負担が重くなります。バリュエーションが割高なテクノロジー株が売られやすくなるとされています。

「雇用統計」

3月1日の週のアメリカの株式市場は引き続き米10年物国債利回りの動向が材料になると予想されています。FRBのパウエル議長が4日に発言する機会があり、議長が利回り上昇をけん制するかを市場は注目しています。

経済指標では5日発表のアメリカの2月の雇用統計が材料になる可能性があります。非農業部門の雇用者数は前月比21万8000人増と予想されています。

決算は、ズーム・ビデオ、小売大手のターゲットやノードストローム、スーパーマーケット大手のクロガー、半導体のブロードコムなどが発表を予定しています。

「バフェット氏の手紙」

週末のアメリカ国内でニュースになったのはジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンの緊急使用が承認されたこと。1回の接種で効果があるJ&Jのワクチン400万回分が今週全米に配布されます。予想されたことですが、株式市場にとってはポジティブな材料になるとみられます。

著名投資家のウォーレン・バフェット氏がバークシャー・ハザウェイの株主にあてた手紙もウォール街で話題になりそう。「アメリカが衰退する方向に賭けない」との従来の方針を維持。国債については「いまは投資する場所ではない」と述べました。年次株主総総会をこれまでのネブラスカ州オマハではなく、5月にロサンゼルスで開催するとの発表がサプライズでした。

[February 28, 2021 NY244]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

  • ※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • ※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • ※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • ※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

タイトル一覧(月別)

topへ