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「ブルーウェーブ」下の米株式相場

2021/01/11 09:59

「悪材料に反応薄」

2021年の最初の取引となった1月4日の週は材料が豊富でした。

注目されたジョージア州の上院決選投票では民主党が2議席を確保。上院の勢力図は共和党50対民主党50になり、上院議長を兼務するハリス次期副大統領が最後の1票を投じるため、事実上民主党が上院を制することが確定しました。バイデン次期大統領が掲げる富裕層と法人に対する増税案やウォール街などの規制強化策が株式市場で意識されましたが、大型経済対策への期待が上回りました。

トランプ支持者が連邦議事堂に侵入、5人が死亡した前代未聞の騒乱が世界の注目を集めました。トランプ大統領が扇動した証拠が多く、辞任もしくは(大統領の罷免を定めた)憲法修正25条の発動がない場合、弾劾手続きに入ると民主党のペロシ下院議長が警告しました。政治の重大局面ですが、市場は反応薄でした。

8日に発表された昨年12月の雇用統計はアメリカの労働市場の減速を示す弱い内容でした。景気動向に敏感な非農業部門雇用者数が予想に反し減少しました。ただ、市場関係者はバイデン次期政権の経済対策がさらに大型になると受け止め、株式相場は上昇しました。

ダウ工業株30種平均は前週比491ポイント、率にして1.6%高の3万1097ドルで引けました。S&P500種株価平均は1.8%高の3824。ナスダック総合株価指数は前週末と比べ2.4%上昇しました。3つの主要指数はいずれも最高値を更新しました。

バロンズは、バンク・オブ・アメリカのブル&ベア指数が7.1と、極端なブル(強気)に傾いていると指摘。下げが必要なときがきたと解説しました。

「決算とFRB」

11日の週は材料が豊富です。

15日に大手銀行のJPモルガンチェース、シティグループ、ウェルズファーゴが四半期決算の発表を予定しています。前日の14日は投資会社ブラックロックが決算を発表します。大手金融機関の業績見通しが株式市場に影響することも予想されます。

14日のパウエル議長など連邦準備理事会(FRB)高官が発言する機会が多くあります。バイデン次期政権が早い段階で大型経済対策に動くとの観測を背景にインフレ期待が高まっています。市場では、FRBが予想よりも早く量的緩和の縮小に動く可能性があるとの見方があります。FRB高官の発言が米10年物国債の利回り、米ドル相場、そして株式相場を動かす可能性があります。

経済指標では水曜日発表の消費者物価指数(CPI)が注目されています。

連邦議会下院は、トランプ大統領に対する2回目の弾劾手続きを11日にも開始する見通し。政治が混乱する可能性がありますが、市場への影響は限定的になるとみられます。

「ブルーウェーブ」

ジョージア州の上院決選投票の結果、ホワイトハウスと上下両院を民主党が制する「ブルーウェーブ」が次の中間選挙後の2023年1月3日まで続く見通しです。

バロンズによりますと、第2次世界大戦後の過去10回の「ブルーウェーブ」の局面でダウは平均で年15.7%上昇し、S&P500は14%上がりました。最近では2009年~2011年にありましたが、ダウは29.2%上昇しました。

歴史的に「ブルーウェーブ」は株式相場にポジティブと分析される中、20日に予定される就任式でのバイデン次期大統領の演説、その後の一般教書演説などが株式相場の方向を決めるとみられます。市場はバイデン氏の発言に敏感になりつつあります。

[January 10, 2021 NY237]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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