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追加経済対策とクリスマス商戦

2020/12/28 11:29

「主要指数まちまち」

クリスマスの影響で3.5日しか取引日がなかった先週。小型株の上昇が注目を集めました。

大型株の指数であるダウ工業株30種平均は前週末比0.1%高の3万199ドルで先週最後となったクリスマス・イブの取引を終えました。電気自動車(EV)メーカーのテスラが構成銘柄に加わったS&P500種株価指数は0.2%安の3703。テクノロジー株の比重が大きいナスダック総合株価指数は前週比0.4%高の1万2804で引けました。

小型株の指数であるラッセル2000種指数は前週比1.7%高と目立って上昇。8週連続で上昇しました。

バロンズはラッセル2000が高い理由が見当たらないと伝えました。

アメリカ連邦議会が9000億ドル規模の経済対策法案を可決したものの、トランプ大統領が不十分として法案の修正を要求。経済対策は宙に浮きました。

イギリスで新型コロナウイルスの変異種が相次いで確認され、ヨーロッパ各国や日本でも変異種による感染が確認されました。ファイザーとモデルナが「変異種にも効果がある」とし、世界保健機関(WHO)が「ウイルス変異は普通のこと」と過度に警戒をしないよう求めましたが、懸念は収まりませんでした。

アメリカの新規失業保険申請件数は予想以上に減少しましたが、同じ日に発表された個人所得・支出は弱い結果でした。

ダウ、S&P500、ナスダックと比べて出遅れていたことがラッセル2000堅調の背景とみられます。銘柄と業種のローテーションが進んだこともラッセル2000の上昇要因と指摘されました。

「2020年最終週」

2020年最終週となる12月28日の週は金曜日が元日のため4日間の取引。最大の材料になると予想されるのがアメリカの追加経済対策をめぐるニュースです。

連邦議会上下両院は9000億ドル規模の刺激策を可決。トランプ大統領は現金の直接給付について、600ドルでは不十分であり、2000ドルに引き上げるように修正を求めました。27日時点でトランプ大統領は法案に署名していません。休暇中のフロリダから投稿したツイートを読む限り、法案を署名する意向がないように思えます。バイデン次期大統領は「トランプ氏の責任放棄が壊滅的な結果を導く」と警告しました。

上下両院は28日、クリスマス休暇から戻り対応策を協議します。追加策は今後9カ月の政府全体の予算と関連していて、このままでは経済対策の先送りだけではなく、政府機関が閉鎖される可能性があります。

住宅関連、シカゴPMI、新規失業保険申請指数などの経済指標が発表されますが、28日の週はワシントンの動きが株価の方向を決めることになりそうです。

「予想を下回ったクリスマス商戦」

週末に近くのサンタモニカのプロムナード(商店街)に行くと、予想以上に混んでいました。ローカルニュースはロサンゼルスのアウトレット・モールが大混雑したと報じました。

ウォール・ストリート・ジャーナルは26日、クリスマス商戦は堅調だったものの、予想に届かなかったと報じました。

マスターカードのデータによりますと、11月1日からクリスマス・イブまでの小売売上高は前年同期比で2.4%増加しました。オンラインでの売上高が47.2%増え売り上げ全体に寄与しました。ただ、全米小売業協会の「全体で3.6~5.2%増」との見通しを下回りました。新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の規制を考えれば悪い内容とは言えませんが、今後弱めの経済指標の発表が相次ぐと、投資家の心理が悪化する可能性がありそうです。

[December 27, 2020 NY235]

「週刊2分でわかるNYダウ」、次号は2021年1月4日(月)配信です。

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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