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クリスマス前で売買錯綜か

2020/12/14 10:43

「IPO人気も一服」

ニューヨーク株式市場では先週、大型の新規株式公開(IPO)に注目が集まりました。

食事宅配サービスでアメリカ最大手のドアダッシュは、公開価格を約86%上回る株価で初日の取引を終えました。創業者のシュー最高経営責任者(CEO)がビリオネア・リスト入りしたことが話題になりました。民泊仲介大手のエアビーアンドビーは公開価格の2倍以上の初値がつきました。世界でホテルチェーンを展開するマリオット・インターナショナルの時価総額を超えたことが注目されました。AI(人工知能)のC3.aiも予想以上に高い株価がつきました。

IPO人気にもかかわらず、株式市場全体は軟調でした。ダウ工業株30種平均は前週末比0.6%安の3万0046ドルで引けました。S&P500種株価指数は1%安で節目の3700を割って1週間の取引を終えました。ナスダック総合株価指数は前週比0.7%下落しました。

先週発表されたアメリカの経済指標は概ね弱め。特に10日に発表された新規失業保険申請件数が市場予想を大幅に上回り、労働市場の悪化を示しました。新型コロナウイルスの感染は記録的なペースで増加しており、規制強化の動きが経済に影響している兆候が出始めています。コロナ禍に対応した追加経済対策をめぐる議会の協議はこう着状態。レームダックのトランプ大統領が追加策を後押しすることは予想されていません。

ダウは週間ベースで3週間ぶりに下落したものの、市場関係者の間に悲観論はほとんどありません。むしろ、ワクチン効果による経済回復への期待で2021年に株式相場が上昇する前の調整だったと前向きにとらえる見方も少なくありません。

「材料豊富」

クリスマス週を控えた14日の週は材料が豊富です。

追加経済策をめぐる議会の協議が活発化すると予想されます。連邦準備理事会(FRB)が年内最後の会合を開きます。電気自動車(EV)のテスラが金曜日の取引終了後にS&P500の構成銘柄に加わります。

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、ファイザーのワクチンの接種が14日から全米で始まります。アメリカの連邦食品医薬品局(FDA)は17日に、モデルナのワクチンの認可をめぐる審査委員会を予定しています。

連邦最高裁判所が週末に、4州の選挙結果を無効だとするテキサス州の司法長官の訴えを退ける判断を示しました。トランプ大統領と支持者が選挙結果を覆す可能性は限りなくゼロに近づきました。アメリカ大統領選の選挙人による投票が14日に全米50州と首都ワシントンで実施されます。バイデン氏の勝利が公式に決まる見通しです。

オプションと先物の期限が週末に集中しており、相場に影響する可能性があります。

製造業とサービス業の購買担当者景気指数(PMI)など経済指標の発表も多い。幅広い材料があり、14日の週は売買が交錯する可能性が高いとの見方があります。

「小型株が上昇をけん引」

ウォール・ストリート・ジャーナルは週末、小型株が市場全体をけん引していると報じました。小型株とは、時価総額や流動性が低い銘柄をさします。

アメリカの小型株の指標であるラッセル2000種指数は11月に月間で過去最大の上昇率を記録しました。今月も堅調に推移、先週末までに約5%上昇しました。S&P500の1.2%高と比べて上昇率の高さが目立ちます。年初からの上昇率は15%。小型株の上昇が続くと市場関係者は予想しているとウォール・ストリート・ジャーナルが伝えました。

ラッセル2000は一般的に景気回復局面で大幅に上昇するとされています。ラッセル2000の上昇の勢いが強いのは、ワクチンが普及して経済活動が活発化することを市場関係者が期待していることを反映しているとみられます。

[December 13, 2020 NY233]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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