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不安定な展開続くか

2020/11/23 08:04


「綱引き相場」

ニューヨーク株式市場で、新型コロナウイルスの感染拡大と経済活動の制限措置拡大による経済への影響への懸念が強まっています。予想を下回る経済指標が増えつつあります。ムニューシン財務長官が連邦準備理事会(FRB)の緊急資金供給措置の大部分を年内で失効させる方針を示したことも心理悪化につながりました。

半面、コロナ・ワクチンや治療薬への期待が高まっています。ワクチンの出荷が年内に始まり来年4~6月に幅広い層が接種できるとの見通しが伝えられました。

先週は懸念と期待が綱引きする展開でした。ダウ工業株30種平均は216ポイント、率にして前週比0.7%安の2万9262ドル。S&P500種株価指数は0.8%下落。一方、テクノロジー企業の比重が大きいナスダック総合株価指数は0.2%高。小型株の指数であるラッセル2000は週間ベースで2.4%上昇して1週間の取引を終えました。

「感謝祭ウィーク」

23日の週は感謝祭ウィーク。26日木曜日のアメリカの感謝祭(連邦祝日)を控え、ニューヨーク株式市場の売買高が低調になることが予想されます。27日金曜日は短縮取引で市場がアメリカ東部時間の午後1時に閉まります。

CNBCは、新型コロナウイルスの感染が深刻化していることへの懸念と、ワクチン流通後の経済回復への期待が綱引きする展開が23日の週も続きそうだとの見通しを伝えました。不安定な展開になりそうだとしています。

感謝祭がある週は通常、1年でモノが最も売れるとされる「ブラックフライデー」への期待で、小売株を中心に株式相場が高くなる傾向があります。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、期待を警戒感が上回る可能性があります。アメリカ疾病対策センター(CDC)が感謝祭中の旅行を自粛する指針を発表しました。

アメリカ国内の1日あたりの新規感染が20万人、1日の死者が2000人になるのは時間の問題との見方もあります。感謝祭前後の感染状況が投資家心理に影響する可能性があります。

今週発表される経済指標では、25日の耐久財受注と個人消費支出が注目。FRBの会合議事録が25日に公表されます。

「敗北宣言しないトランプ大統領」

3日投票のアメリカ大統領選から約3週間が経ちましたが、トランプ大統領は負けを認めていません。CNNの調査では、アメリカ人の過半数が「トランプ氏が敗北宣言をしない」と考えていることがわかりました。

NBCニュースによりますと、トランプ陣営は選挙結果をめぐり36の訴訟を起こしました。このうち26の訴訟で敗訴。残る10の訴訟についても証拠不十分であり、結果が覆る可能性はないとみられています。

23日はペンシルバニア州が公式結果を発表する期限。12月8日までにすべての州の公式結果が出そろい、14日に全米の選挙人が投票する予定です。トランプ陣営は12月14日まで法廷闘争を継続する意向だと一部で報じられましたが、不確実性があります。

トランプ氏が敗北宣言しないため、選挙で当選が確実になったバイデン氏への政権移行が遅れる恐れがあります。特に新型コロナウイルスとワクチンの情報が共有されないこと、情報機関のブリーフィングをバイデン氏が受けられないことが懸念されています。

トランプ氏が公務を事実上投げ出しているとCNNが報じました。週末に開かれた主要20カ国首脳会議(G20サミット)では、冒頭で発言後、ゴルフ場に戻りました。政治が機能していません。コロナ危機に対応した追加経済対策をめぐっても指導力を発揮せず、こう着した状態に寄与しています。

FOXニュースによりますと、民主党は2.2兆ドルの追加経済対策案を引き続き主張していますが、共和党は0.5兆ドルの小型策を主張。規模をめぐる意見の隔たりが大きく、年内にまとまる可能性が低下しています。

市場関係者の一部は依然として年内の追加策を期待していて、こう着状態がさらに続くと株式相場を圧迫する要因になる可能性があります。

[November 22, 2020 NY230]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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