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コロナリスクめぐる相場

2020/11/16 10:38

「ボラティリティ高い」

先週のニューヨーク株式相場は、ボラティリティ(変動)が大きい展開でした。製薬会社ファイザーとビオンテックが共同開発する新型コロナウイルスのワクチンの有効性が90%あったとするニュースを受け急上昇。週後半はコロナ感染が連日過去最多を更新、一部の州が経済活動の制限に動いたことが影響し相場が崩れました。2021年の相場がどう展開するかを見通し、将来の相場を示唆するような展開だったとバロンズ紙が伝えました。

ダウ工業株30種平均は週間ベースで1156ポイント、率にして4.1%上昇し2万9479で取引を終えました。S&P500種株価指数と小型株の指数ラッセル2000はそれぞれ2.2%、5.4%上昇し、最高値を更新しました。一方、テクノロジー株の比重が大きいナスダック総合株価指数は前週比0.6%安で1週間の取引を終えました。

これまでは、アップルをはじめとするテクノロジー株が相場の方向を決めました。ただ、先週はキャタピラーをはじめ産業株が大きく動きました。セクター(業種)と銘柄のローテーションが進んでいることを示しています。

「投資家の思惑が交錯か」

16日の週のアメリカの株式相場は、新型コロナウイルスをめぐるニュースが引き続き材料になることが予想されます。アメリカ国内の13日の新規感染者が18万人を超え、週末も感染増加ペースの加速が続いていることが報告されました。ニューヨークやロサンゼルスなど主要都市で規制が一段強化される方向。シカゴは外出規制措置に動きました。

今週発表される経済指標では、10月の小売売上高と中古住宅販売件数が市場心理に影響する可能性があります。

小売り大手のウォルマートとターゲット、ホームセンター大手のホームデポとロウズが四半期決算の発表を予定しています。

CNBCは、今週の株式市場について、テクノロジー株の成長への期待、コロナ感染拡大を受けた巣ごもり銘柄、ワクチン流通後の景気回復を期待した景気敏感株など、投資家の思惑が交錯する展開が予想されるとの見通しを伝えました。

議会が選挙後のレームダック状態に入り、コロナ危機に対応した追加経済対策への期待が後退しました。追加策で前向きな動きがあればリスク選好ムードが高まりそうですが、可能性は低そうです。

選挙で当選が確実になったバイデン氏の政策をにらんだ米10年物国債の利回りの動きに株式相場が反応する可能性があるとの指摘があります。選挙後、利回りの振れが非常に大きくなっています。

「敗北宣言しないトランプ氏」

トランプ大統領は13日、選挙後初めて記者会見し、「いまの政権でロックダウン(都市封鎖)はやらない。次の政権がどうなるか時間が解決する」と述べました。敗北を事実上認めたことを示唆した発言とも受け止められました。

トランプ氏は週末にツイッターへの投稿を連発。「バイデン氏が勝利したのは不正があったからだ」「彼が勝ったのはフェイクニュースメディアの中だけだ」「私は敗北宣言しない」と述べました。

アメリカ大統領選は週末までに全米50州の結果が出そろいました。バイデン氏は306人の選挙人を獲得、勝利に必要な270人を大幅に上回りました。トランプ氏が獲得した選挙人は232人にとどまりました。

トランプ氏の弁護士であるジュリアーニ氏は15日、FOXニュースに出演。「選挙で不正があった証拠がある」として、法廷闘争を継続すると強調しました。ただ、各地の訴訟は裁判所に相次いで却下されていて、結果を覆すのは困難との見方がコンセンサスになっています。

12月14日に各州の選挙人が集まり公式投票を予定しています。それ以降も法廷闘争が続くようならば「政治空白」が長期化するリスクが高まり、株式相場にも影響しそうです。それまでは株式市場は事態を静観するかもしれません。

[November 15, 2020 NY229]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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