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「バイデン政権」が意味すること

2020/11/09 12:44

「ねじれ議会は株高要因」

アメリカの選挙が実施され、開票が進んだ先週のニューヨーク株式相場は大幅高でした。選挙で誰が勝利しても気にしていないような動きでした。

ダウ工業株30種平均は前週比で1821ポイント、率にして6.9%上昇の2万8323ドルで引けました。S&P500種株価指数は7.3%高。ナスダック総合株価指数は9%上げました。恐怖指数とされるVIXは35%低下。2016年の選挙後以来で最大の低下を記録しました。

2議席を決めるジョージア州の上院選で50%を獲得する候補がいなかったため、1月に決選投票が実施されることになりました。2つの決選投票で民主党が勝てば、上院は共和党50対民主党50になるとみられ、議長役の副大統領が最後の一票を投じることになります。民主党のバイデン氏が大統領、ハリス氏が副大統領になることが確定しましたので、50対50になれば民主党に優勢になることを意味します。ただ、その可能性は低いとされています。上院は共和党、下院が民主党という「ねじれ」になる可能性が高そう。

ワシントン・ポストは、過去の株式相場を分析すると「ねじれ」の場合には株式相場が高いと報じました。バロンズ紙は、「ねじれ議会」が株式にとってポジティブとの見方がコンセンサスになったと伝えました。

今回の「ねじれ」では、バイデン氏が主張する法人税やキャピタルゲイン税の大幅な引き上げが難しくなる、規制強化や大手テクノロジー企業の会社分割の可能性も後退するとみられています。バイデン氏をめぐる株式市場へのネガティブ材料への警戒感が薄れたことが相場を押し上げたとの指摘が少なくありません。

「トランプ氏と決算」

9日の週のニューヨーク株式市場について、CNBCの人気投資番組「マッドマネー」の司会者クレイマー氏は、予測不能の週になると予想しました。「個人的には強気にみているが、いまの市場は異常な状態であり展開を注視する必要がある」と述べました。

アメリカの主要メディアが大統領選で民主党候補のバイデン氏の当選確実を伝え、バイデン氏は副大統領候補のハリス氏と勝利宣言をしました。アメリカ全体がバイデン政権に向け動き出しましたが、トランプ氏は敗北宣言をしていません。

トランプ氏の弁護士であるジュリアーニ氏は法廷闘争を続ける意向を明確に示しています。一方で、FOXニュースは、月曜日に裁判所が不利な決定を下した場合、トランプ氏がいやいやながら敗北を宣言することを検討しているとのホワイトハウス筋の話を伝えました。CNNは、大統領の娘婿のクシュナー氏が敗北宣言をめぐりトランプ氏に会ったと報じました。

トランプ氏と陣営がどう動くか市場関係者が注目しています。

今週はマクドナルド、代替肉のビヨンドミート、大手ションピングモールのサイモン、住宅建設のDRホートン、ウォルトディズニー、シスコシステムズ、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズなどが四半期決算を発表予定です。

「新型コロナウイルス」

ニューヨーク・タイムズによりますと、7日の新型コロナウイルスのアメリカ国内の新規感染者は12万6156人でした。前日は13万人を超えました。前日に比べて減りましたが、週末で報告が遅れたためとみられています。14日移動平均比は57%増加。入院患者が増え、アメリカの多くの地域で病床不足が深刻化しています。

バイデン氏は9日に新型コロナウイルスの対策チームを立ち上げる予定です。感染症の専門家、医師などで構成されるタスクフォース。トランプ政権と異なり厳格な規制を導入する可能性があり、経済活動への影響がいずれ株式の材料になるとみられます。

[November 08, 2020 NY228]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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