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ネガティブ材料を突然意識した米株式市場

2020/11/02 09:43

「3月以来の下落率」

10月最後の取引となった先週のニューヨーク株式市場。なぜ売り込まれたか投資家は理解できないでいるとバロンズが解説しました。

ダウ工業株30種平均は前週比1833ポイント、率にして6.5%下げ2万6501ドルで取引を終えました。S&P500種株価平均は5.6%安。ナスダックは週間ベースで5.5%下落しました。

新型コロナウイルスの感染が拡大した3月以降で週間ベースと月間ベースの最大の下落率。コロナ感染が欧米で記録的なペースで拡大、コロナ危機に対応した追加経済対策が選挙前に成立する可能性が消滅、大統領選の行方は不透明。いずれも株式相場にとってネガティブ材料ですが、いずれもサプライズはありません。

バロンズは、ネガティブな要因を無視してきた株式市場が単純に材料として意識するよう決めたようだと伝えました。ただ、コロナ禍の恩恵を受ける自宅用フィットネス機器のペロトンが急落するなど、下落材料は依然はっきりしないとしています。不透明感が市場を乗っ取ったと市場関係者が話しているとバロンズが加えました。

「選挙、FOMC,雇用統計」

11月2日の週のアメリカの株式市場は材料が豊富です。最大の材料は3日の大統領選挙。郵便投票が非常に多く、開票作業に時間がかかる可能性あり、投票日の翌日以降も相場に影響しそうです。

4~5日に連邦準備理事会(FRB)が金融政策を決める連邦公開市場員会(FOMC)を開きます。選挙後の「政治空白」が長期化するリスクがあり、FRBのパウエル議長の重要性が高まるとの見方も少なくありません。政策変更は予想されていませんが、パウエル議長の記者会見に注目が集まりそうです。

アメリカの10月の雇用統計が6日に発表されます。コロナ感染の再拡大が労働市場にどう影響したかを探る重要な指標。ただ、選挙後の行方への関心が非常に高く、雇用統計の株式市場への影響は限定的になる可能性があります。

四半期決算は、クロラックス、エスティローダー、クアルコム、メットライフ、ブリストルマイヤーズ・スクイッブ、AIG、GMなどが発表予定です。

CNBCは、投資家にとって最良のシナリオは、大統領選で勝敗が明確になることだと伝えました。ただ、大統領選の勝者が決まっても、上院の結果が相場に影響する可能性があるとしています。民主党が上院を奪回できるか依然不透明だとしました。

「激戦州が鍵」

ウォール・ストリート・ジャーナルとNBCニュースの最新の世論調査によりますと、全米の有権者の支持率は民主党大統領候補のバイデン氏が52%、トランプ大統領は42%と、依然として大きな差が開いています。2016年の選挙の投票日直前の支持率は、ヒラリー・クリントン氏が44%、トランプ氏は40%でした。

全米ベースでの支持率の差は明らかですが、激戦州での差は縮小。予断を許さない状況です。大統領選の勝敗は激戦州が決めることになります。

CNNによりますと、1日時点で9160万人の有権者が投票を終えました。2016年の全投票者67%に達する規模。内訳は郵便投票が約5970万人。投票所で期日前投票した人は約3190万人です。

民主党支持者はコロナ感染を警戒し期日前投票を好み、共和党支持者は選挙当日の投票を好む傾向があるとされています。開票は投票所の票から始めるため、開票初期段階は共和党が優勢になる可能性があります。
トランプ氏が開票の初期結果を受け勝利宣言す
る「レッドミラージュ」のリスク、郵便投票の開票結果を受けバイデン氏が勝利宣言するもののトランプ氏が受け入れないリスク。法廷闘争に発展し選挙結果が長期にわたって確定しない場合は株式市場にとって最悪のシナリオになると幅広く指摘されています。2日の週の展開が年末までの相場の方向を決める可能性があり、注目の1週間になりそうです。

[November 01, 2020 NY227]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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