週刊2分でわかるNYダウNYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

変動リスクあり、注目集める銀行決算

2020/07/13 09:24

「VIX高水準」

「夏枯れ」か。先週のニューヨーク株式市場は売買高が低調、相場は一部のテクノロジー株を除いて小幅な値動きでした。

ダウ工業株30種平均は前週比246ポイント高、率にして0.96%上昇しました。S&P500種株価指数は1.76%高。ナスダックは前週比4.01%上げました。S&P500とナスダックの上昇率がダウより大きいのは、指数算出法の違い。時価総額が大きいアップル、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトなどが大幅高だった影響です。

恐怖指数であるVIXは、30を小幅下回る水準を行ったり来たり。バロンズによりますと、エバーコアISIのストラテジストはVIXの「暴力的な横ばい」と表現したそうです。ただバロンズは、近く「暴力的」になる可能性があるとしています。VIXが大きく動き、株式相場に影響するかもしれないということです。

「決算」

13日の週のニューヨーク株式市場の最大の材料は本格化する四半期(4~6月)の決算です。リーマンショックがあった2008年第4四半期(10~12月)以来の大幅減益が予想されています。リフィニティブのまとめによりますと、S&P500を構成する企業の平均は44%の減益になる見通し。

S&P500を構成する企業の180社以上が今週、四半期決算を発表予定。13日はペプシコ、14日がJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、デルタ航空、15日はゴールドマン・サックス、バンク・オブ・ニューヨークメロンなどが決算を発表します。16日はバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、モルガン・スタンレー、ネットフリックス、ジョンソン&ジョンソンなど。17日は投資会社ブラックロックなどが発表を予定しています。

特に大手銀行の決算と業績見通しが注目されています。新型コロナウイルスの影響で、多くの企業がガイダンス(見通し)を取り下げました。ウォール・ストリート・ジャーナルは、ガイダンスがないため、アナリストと投資家が苦労していて、不透明感で相場が荒れる可能性があると伝えました。

CNBCは、決算が株式相場の試練になると解説しました。決算の中身ではなく、テクノロジー企業の幹部が見通しにどう言及するか注目だとしています。

「コロナ」

アメリカの主要メディアの週末の報道は新型コロナウイルス関連一色でした。

ニューヨーク・タイムズによりますと、11日に確認されたアメリカ国内の新規感染は6万0671人。14日平均と比べ53%多い。フロリダ州の過去24時間の感染者が1万5300人に達し、ニューヨーク州が4月に記録した1万2千人を大幅に上回りました。

フロリダ、テキサス、アリゾナ、カリフォルニアの感染増が目立ちましたが、過去24時間では、モンタナ州、ウェスト・バージニア州、ハワイ州、アメリカ領プエルトリコ、ルイジアナ州、アイダホ州、ノース・ダコタ州、テネシー州、ケンタッキー州の感染が急増しました。感染増が全米に広がっていることを示しています。

週末に軍の医療機関を訪問した際にトランプ大統領がマスクを着用したことが話題になりました。公の場でのマスク着用は初めて。

ただ、ワシントン・ポストによりますと、トランプ大統領は1カ月以上、感染症の専門家と話をしていないそうです。感染症の権威である国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長がメディアで新型コロナウイルスの感染急増を警告していますが、「意見が合わない」としてトランプ大統領が無視しています。

新型コロナウイルスの感染増を株式市場がこれまで無視してきました。ただ、ここに来て、経済活動の再開を停止する動きが加速しています。12日には、ルイジアナ州知事がバーの営業停止を命じました。医療機関が対応できる規模を超えた、ICU(集中治療室)が満床になったとの報告も相次いでいます。

新型コロナウイルスの感染急増が先週末の外国為替市場に影響しました。決算発表の際に主要企業がコロナ問題の影響に警戒を示せば、株式相場を動かす材料になる可能性があるとの指摘が少なくありません。

[July 12, 2020 NY211]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

  • ※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • ※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • ※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • ※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

タイトル一覧(月別)

topへ