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連日の最高値、ガイダンスが決めるNYダウの方向

2019/07/16 09:40

「方向感欠ける」

週明け15日のニューヨーク株式相場は方向感に欠ける展開でした。今週から第2四半期(4-6月)の決算が本格するのを控え、警戒感から安く始まり、軟調な展開が続きました。しかし、終盤に小幅高に転じ、主要株価指数が最高値を更新して今週初日の取引を終えました。

ダウは先週末比で27.13ポイント(0.10%)高の2万7359.16。S&P500は0.02%上昇。そして、テクノロジー株の比率が高いナスダックは0.17%上げました。小幅ながらそろって最高値を更新しました。

主要企業の先頭を切って発表したシティグループの決算はアナリストの予想を上振れしました。ただ、トレーディング部門が弱かったことなどが影響して、株価は軟調に推移。銀行株が幅広く売られる結果につながりました。

「最高値」

先週のニューヨーク株式マーケットは記録的な1週間でした。まず、ファンドマネージャーが指標にしている幅広い銘柄で構成されるS&P500が連日最高値を更新。初めて3000ポイントの大台に乗せました。先週1週間で0.8%上昇し、3013.77で終えました。

ダウも続きました。初めて2万7000台に乗せました。週間ベースでは1.5%高。ナスダックも1%上昇し、最高値で1週間の取引を終えました。

株価を押し上げたのはFRBの利下げへの期待感。先週水曜日に下院、木曜日に上院の委員会で証言したFRBのパウエル議長は、インフレ率が低水準であることを指摘、海外経済の不透明感、企業投資が目立って減速しているとの認識を示しました。成長を維持するために「適切に行動する」として、今月末の会合での政策金利引き下げを示唆しました。

ECBが公表した議事録、IMFのユーロ圏経済の年次報告書も株高に寄与しました。ECBは追加緩和を示唆し、IMFはECBの刺激策が不可欠だと主張しました。FRBとECBの世界2大中央銀行が緩和に動く。企業の資金調達コストが下がり、消費も活性化するとの思惑が広がりました。

「決算と米中」

今週のニューヨーク株式マーケットでは、小売戦争が材料視されています。

電子商取引の巨人アマゾンが5回目となる会員向けセール「プライム・デー」を開催中。16日24時までの48時間。小売最大手のウォルマートや大手のターゲット、コールズなどが同時に大セールを実施しています。感謝祭明けの「サイバー・マンデー」のような盛り上がりです。

投資家が最も注目しているのは主要企業の決算。大手銀行のほか、IBMなどが四半期決算を発表します。

ファクトセットによりますと、S&P500採用銘柄の第2四半期(4-6月)は平均で2%以上の減益になる見通し。ただ、投資家は4-6月の業績より今後の見通しを示す「ガイダンス」に注目しています。ガイダンスが株式相場の方向を決めることになりそうです。

米中貿易協議の行方も相場に影響する可能性があります。ムニューシン財務長官は15日、先週に続く形で今週も中国の閣僚と電話会議をする可能性があると述べました。トランプ大統領は「中国がアメリカ産の農産物を買わない。約束破りだ」と不満をあらわにしていますが、対話が進むかウォール街が注視しています。

「見通し上方修正」

CNBCによりますと、JPモルガンがS&P500指数の今後12カ月の目標を上方修正しました。3000から3200へ。15日の終値より約6%高い水準です。

JPモルガンのストラテジストは、世界的な金融緩和の動きが今年後半の株式相場を支えるとコメントしました。ストラテジストはまた、アメリカと中国が貿易協定でいずれ合意するとの楽観論も株価に強気な見方に一部寄与しているとしています。

CNBCがまとめた今後12カ月のS&P500の予想中間値は2950。いまより低い水準です。ドイツ銀行のストラテジストが最も強気で3250を予想しています。

[July 15, 2019 NY160]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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