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ダウ3万はあるか

2019/11/18 09:11

「2万8000乗せで最高値」

何もないのに株価指数が最高値を更新した。バロンズ紙が先週のアメリカ株式市場をこう表現しました。

先週は株価を動かす可能性があった材料が豊富でした。トランプ大統領が12日にニューヨーク・エコノミック・クラブで演説、13日は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が議会の公聴会で証言をしました。米中貿易協議をめぐる情報が錯綜。下院では、トランプ大統領に対する弾劾手続きの初の公聴会が開かれ「ウクライナ疑惑」の鍵を握る外交官3人が出席。トランプ大統領が外交や国益より政敵の調査を優先したことを示唆する証言が相次ぎました。

材料に事欠かなかったにもかかわらず、ダウ工業株30種平均は14日までの5日間でほとんど動きませんでした。5日間の平均変動率はわずか0.08%。2017年4月以来の小ささでした。

バロンズによりますと、大幅な上昇後に株価がほとんど動かなくなる現象は過去にありました。ダウが12カ月で19.9%上昇した後の2017年4月11日までの5日間の平均上昇率は0.069%でした。

相場が動かないことに投資家が不満を抱いた。恐怖指数であるVIXが15日に大きく変動、今年4月以来の低水準をつけました。これに株価が反応した可能性があります。

ダウは先週1週間で323.65ポイント、率にして1.2%上昇しました。2万8000台に乗せ、過去最高値を更新しました。S&P500種株価指数は0.9%高の3120.46。ナスダック総合株価指数も0.8%上昇し最高値の8540.83で1週間の取引を終えました。

「材料少なめ」

今週のアメリカの株式市場は材料が少なめです。

主要企業の四半期決算の発表はほぼ終わりました。今週は決算期がずれている小売り企業の一部が四半期決算を予定しています。

19日にダウ構成銘柄のホームデポが四半期決算を発表します。20日はターゲット、21日はデパートのメイシーズとアパレル大手のギャップなどが決算発表を予定しています。感謝祭後の「ブラックフライデー(11月29日)」を控え年末商戦の見通しが注目されそうです。

経済指標では22日の製造業とサービス業の購買担当者景気指数(PMI)に注目。20日にFRBが公表する会合(FOMC)の議事録が材料になる可能性があります。

相場にもっとも影響しそうなのは引き続き米中貿易協議をめぐる動きだと指摘されています。米中双方の高官の発言や報道に一喜一憂する展開が予想されます。

「ダウ3万はあるか」

トランプ大統領が2017年1月に就任した際のダウは2万前後でした。約2年10カ月が経過した先週、ダウが2万8000を超えました。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、景気に敏感なキャタピラーなどの製造業や銀行株などが買いを集め、株式相場全体を押し上げたと解説しました。アメリカがリセッション(景気後退)入りするという懸念が後退、米国債の利回りも低水準から戻したとしています。

CNBCは、2万8000台に初めて乗せたダウが次の節目の2万9000を超えるかどうかは米中貿易協議次第だと伝えました。

バロンズは、アメリカ国内の政治対立が激化、地政学的な緊張が高まる中、株式市場は別の次元にあるようだと解説しました。

ダウが3万を超える可能性があると2017年1月に予想したバロンズは、「3万は架空の話でなくなりつつある」と報じました。ベア(弱気)派で知られるシーブリーズ・パートナーズ・マネージメントのダグ・カース氏が、株価がさらに上昇する力が働いていると述べているとしています。

来週は感謝祭の週。ウォール街をはじめアメリカ全体がホリデーモードに切り替わります。

[November 17, 2019 NY178]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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