松島新の週刊2分でわかるNYダウNYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

新変異型が変えた投資家心理

2021/11/29 07:28

「ブラックフライデー」

アメリカの株式市場は、感謝祭の翌日であるブラックフライデーに急落しました。南アフリカで確認された新型コロナウイルスの新たな変異種「オミクロン」への警戒感が背景。感染が落ち着いていた南アフリカで感染増加ペースが急加速、世界各国がアフリカ南部の渡航を急遽停止したことが背景。ヨーロッパや香港で感染が確認され世界に感染拡大する恐れがあること、オミクロンに対するワクチンの免疫効果がわかっていないことで投資家心理が悪化しました。26日の取引で恐怖指数であるVIXは54%急上昇しました。

ダウ工業株30種平均は前週末比2%下落。S&P500種株価指数は2.2%安。ナスダック総合株価指数は前週比3.5%急落しました。

ズーム・ビデオ、ネットフリックス、ドキュサインなど巣ごもり銘柄とモデルナやファイザーなどワクチン銘柄が積極的に買われました。半面、ロイヤル・カリビアンなどクルーズ株、ユナイテッド航空をはじめ航空株、キャタピラーなど景気敏感株、いわゆる経済再開銘柄は急落しました。

「オミクロン」

アメリカ株式市場をはじめ世界の株式市場の方向は、オミクロンをめぐるニュースが決めることになりそうです。製薬会社や世界の科学者がオミクロンの分析を開始。研究結果まで2週間ほどかかる見込み。モデルナは来年初めにオミクロンに対応したワクチンが完成する見通しを示しました。

3日金曜日に発表されるアメリカの10月雇用統計が注目です。今週はパウエル議長をはじめ連邦準備理事会(FRB)の高官が発言する機会が多くあります。アトランタ地区連銀のボスティック総裁は26日、FOXニュースのインタビューで、過去のパターンからオミクロンの経済への影響は限定的に可能性があるとして、緩和策縮小の加速に前向きな姿勢を示しました。

市場関係者は、アメリカの主要株指数がテクニカル上の節目を割るかに注目しています。サンタラリーと呼ばれるように年末は株価が上昇する傾向がありますが、チャートの節目を割ると悲観論が増える可能性があります。

「ロックダウン」

週末の主要経済紙、ウォール・ストリート・ジャーナルとフィナンシャル・タイムズのトップニュースはオミクロンの感染拡大でした。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、オーストラリア、オーストリア、オランダなど世界でオミクロン感染が確認され、イスラエルは国境を封鎖したと詳しく報じました。社説で、ロックダウン(都市封鎖)の経済に対する悪影響が大きく、市場が最も恐れているのは多くの国がロックダウンを再導入することだと主張しました。

フィナンシャル・タイムズは、イギリスがマスク着用義務を再導入、30日から新たな規制を導入するのをはじめ世界各国が競うようにオミクロン封じ込めに動いたと詳しく報じました。社説で、新たな変異種が確認されたことは、ウィルスが依然として脅威であることを示したと伝えました。貧困国のワクチン接種を加速させる必要があると主張しました。

[NOVEMBER 28, 2021 NY282]

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

筆者プロフィール

松島 新(まつしま あらた)

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。 ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。 平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。 現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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