(AM)米追加経済対策の行方に一喜一憂⁉

2020/10/22 07:55

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・ペロシ下院議長が「(追加経済対策の)合意が見込める」と発言
・英国とEUが「トンネル(集中協議)」を開始へ
・トルコ中銀は1.5%~2.0%の利上げができるか
・米大統領選の最後のディベートにも注目

(欧米市場レビュー)

21日の欧米為替市場では、米ドル、カナダドル、メキシコペソといった北米通貨が軟調。英ポンドの上昇が目立ちました。豪ドルやNZドル、ペソを除く新興国通貨も堅調でした。

米追加経済対策について、ペロシ下院議長が「合意の見込みがある」と述べたことで、為替市場はリスクオン方向の動きとなり、米ドルが幅広く売られたようです。ただし、11月3日の選挙投票日前に追加経済対策が成立する可能性は引き続き低く、NYダウなど米株はもみ合った後、前日比マイナス圏に沈みました。

カナダドルメキシコペソは、9月中旬以来の高値圏に上昇していた反動が出たのかもしれません。WTI原油先物価格が一時40ドル/バレル割れと軟調だったことも、両通貨の弱気材料になったようです。

英ポンドの上昇は、英国とEUの交渉再開が材料。EUが英国の要求に譲歩する形で、「トンネル」と呼ばれる集中協議が22日にもロンドンで始まる見通しです。ただし、そのまますんなりと合意に至るかは不透明です。

トルコリラの堅調は、リスクオンの地合いに加えて、22日のTCMB(トルコ中銀)の会合で、利上げが決定されるとの観測も背景にあるようです。

(本日の相場見通し)

米追加経済対策に関するムニューシン財務長官とペロシ下院議長の協議継続、英国とEUの「トンネル(集中協議)」開始などがあり、市場はリスクオンに傾きやすい地合いでしょう。

ただし、いずれの交渉もこれまでの経緯からみて一筋縄ではいきそうもありません。前者は小規模な対策を求める上院共和党がネック、後者ではジョンソン英首相がEUの許容できない過度な要求をするかもしれません。期待が失望に変わるようなら相場地合いもリスクオフ方向に傾きそうです。

本日、TCMB(トルコ中銀)の会合があります(日本時間午後8時ごろ結果判明)。市場予想の中心は1.5%~2.0%の利上げ。幅にもよりますが、2会合連続での利上げとなれば、トルコリラにとってプラスになるかもしれません。

米大統領候補による最後のディベート(TV討論会)が、テネシー州ナッシュビルで開催されます(日本時間23日午前10時-11時30分)。1回目のディベートで世論はバイデン氏優勢と判断、中止になった2回目のディベートの代わりに各候補が開いたタウンホール・ミーティングでも、TV視聴者数はバイデン氏がわずかに上回ったとのこと。世論調査の支持率でも、一時に比べて差は縮まりましたが、バイデン氏がリードしています。トランプ大統領は形成逆転を狙って強引な論戦(誹謗中傷?)を仕掛けそうです。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。」


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