(AM)アイルランドが最高レベルのロックダウンへ

2020/10/20 08:08

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米国の追加経済対策への期待と失望が交錯し、NYダウは400ドル超下落
・為替市場は方向感の定まらない展開
・米ドルや円がやや軟調、ユーロや英ポンドはしっかり。ペソと豪ドルも安い
・アイルランドは12月1日までレベル5のロックダウンへ

(欧米市場レビュー)

19日の欧米為替市場では、方向感の定まらない展開となりました。米ドルや円がやや軟調となる一方で、ユーロや英ポンドは小じっかり。資源新興国通貨ではペソや豪ドルが軟調でした。

米国の追加経済対策に関するトランプ政権と議会民主党の協議が続くなか、合意への期待と失望が交錯。合意への期待が後退して、NYダウは400ドル超下落して引けました。米ドル実効レートは軟調に推移したものの、株安によるリスクオフから終盤に反発しました。

ユーロ高は米ドル安の裏返しの面が強かったようです。ただ、ラガルドECB総裁が21年にスタートする欧州復興基金を恒久化すべきと述べたこともプラス材料になったかもしれません。

英ポンドの堅調は、英上院が国内市場法案の国際法違反となりうる条項を修正する方向であること、ブレグジット後の関係に関する英国とEUの交渉で合意への期待が残存したことなどが背景でした。

豪ドルの軟調は、先週RBA(豪中銀)が豪長期金利の押し下げを示唆したことで、海外から豪国債への投資が鈍るとの思惑が背景にあるようです。17日総選挙での与党労働党圧勝の余韻からNZドルは比較的堅調だったので、豪ドル/NZドルは下落基調が続きました。

※ 豪ドル/NZドルのテクニカル分析については、本日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

ここもと堅調だったメキシコペソは重要レベルとされる1米ドル=21ペソを目前に反落した形です。

(本日の相場見通し)

本日20日、米追加経済対策に関してペロシ下院議長(民主党)が設定した協議の期限が到来します(日本時間21日午後1時ごろまでに結果判明)。

米株式市場では追加経済対策の協議に一喜一憂する展開が続いており、為替市場も相応に反応しそうです。トランプ政権も議会民主党も、選挙前に追加経済対策の協議を打ち切ったとの批判は避けたいところでしょう。そのため、急転直下の合意や、協議継続の可能性はあるでしょう。

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欧米でのコロナ感染再拡大は引き続き懸念材料(リスクオフ材料)でしょう。先週のパリなどの夜間外出禁止令、ロンドンの行動制限などに続き、アイルランドが2度目のロックダウン(都市封鎖)に入ります。

アイルランドは、20日午前0時からレベル5(5段階の最高)のロックダウンを12月1日まで(6週間)続ける予定。必需品以外の店舗は閉鎖され、飲食店はテイクアウトのみ、5キロを超える人の移動が禁止されます。

欧州でロックダウンの動きが広がるようであれば、経済への下押し圧力増大や追加金融緩和の観測からユーロや英ポンドにとってネガティブな材料となるかもしれません。

英国とEUの交渉が進展するかどうかも引き続き相場材料となりそうです。


執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。」


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