(AM)コロナ感染再拡大や行動制限でリスクオフも⁉

2020/10/19 08:37

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米追加経済対策の先行きは不透明
・英国とEUの交渉継続も、進展は期待できず?
・コロナ感染再拡大や行動制限の状況次第ではリスクオフも
・NZの総選挙ではアーダーン首相の労働党が圧勝

(欧米市場レビュー)

16日の欧米為替市場では、米ドルは軟調。メキシコペソ南アフリカランドなど新興国通貨は比較的堅調でした。他方、資源国通貨は、カナダドルが堅調な一方で、豪ドルが軟調となるなどマチマチでした。

米国の9月小売売上高は市場予想を上回り、6月以来の大幅増加となりました。また、10月ミシガン大学消費者信頼感指数もやや改善。NYダウが一時300ドル超上昇するなど、市場はリスクオン方向に傾きました。ただ、米国の追加経済対策の先行きが不透明ななかで、NYダウが引けにかけて上げの一部を消すなど、投資家センチメントが大きく改善したわけではありませんでした。

大手格付け会社ムーディーズは16日、英国の格付けをAa3に1段階引き下げました。Aa3は最上級Aaaから3段階下で、格下げの根拠は英国の成長鈍化と財政の悪化です。格下げを受けて19日アジア時間の為替市場では英ポンドがやや弱含んでいます。

17日に投開票が実施されたニュージーランドの総選挙ではアーダーン首相の労働党が圧勝し、単独過半数を獲得しました。同首相の協調路線と徹底したコロナ対策が評価された結果でしょう。19日アジア時間にNZドルはやや強含んでいます。

(本日の相場見通し)

日本時間11:00に中国の7-9月期GDPが発表されます(市場予想前期比3.2%)。中国はコロナの感染抑制が早かったので、4-6月期GDPは前期比11.5%と1-3月期(同マイナス10.0%)から大幅に反発しました。中国経済の順調な立ち直りは豪ドルやNZドルにとってプラス材料かもしれません。

欧米はコロナの感染再拡大が目立っており、再びロックダウン(都市封鎖)が必要との見方も出てきました。感染状況や政府の対応次第では、投資家心理はリスクオフに振れやすいかもしれません。

米国の追加経済対策の協議や英国とEUの交渉などの状況も相場材料となりそうです。

なお、本日19日は、ブラックマンデー(87年10月19日)の33周年。米国の追加経済対策の合意があまり期待できないこともあって、株価の動きには要注意かもしれません。

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15-16日のEUサミットを終えても英国とEUの交渉に進展がなかったため、ジョンソン首相は「合意なき離脱」の準備に集中すると明言。ただ、交渉の継続は否定しませんでした。本日19日にも、EUの交渉団がロンドン入りする見通しですが、引き続き合意への道筋は見通せない状況です。

他方、米国の追加経済対策に関するムニューシン財務長官とペロシ下院議長(民主党)の交渉は17日にも行われましたが、大きな進展はありませんでした。ペロシ下院議長は20日を選挙前の合意の期限に設定、交渉が進展するかどうかは不透明です。

※詳細は本日のファンダメ・ポイント「【アップデート2】交渉継続中?」をご参照ください。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。」


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