(AM) トルコリラ、メキシコペソ:中銀会合の結果が重要!?

2020/09/24 08:25

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・TCMB(トルコ中銀)は「利上げ」するかどうか
・BOM(メキシコ中銀)は「利下げ」するかどうか

(欧米市場レビュー)

23日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は105.481円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.16497米ドル、豪ドル/米ドルは0.70679米ドルへと下落しました。ユーロ圏の9月総合PMI(購買担当者景気指数)速報値が50.1と、市場予想(51.7)以上に8月の51.9から低下し、またNYダウが軟調に推移したことを受け、リスク回避の動きが強まり、米ドルの支援材料となりました。NYダウの終値は前日比525.05ドル安の26763.13ドル。終値としては8月3日以来の安値を記録しました。

トルコとギリシャは22日、東地中海の海底資源をめぐり協議を再開することで合意。両国の協議は2016年3月を最後に行われていませんでした。協議再開はトルコリラにとってプラス材料と考えられるもののリラは下げ止まらず、対米ドルで過去最安値を更新。一方、対円(リラ/円)は米ドル/円の上昇に支えられ、最安値(9/22につけた13.574円)の更新は回避しました。

(本日の相場見通し)

本日(24日)、TCMB(トルコ中銀)が政策金利を発表します(日本時間20:00)。

トルコの8月CPI(消費者物価指数)は前年比11.77%と、依然として高水準。また、トルコリラは対米ドルで過去最安値を更新し続けています。こうした状況にもかかわらず、1週間物レポ金利(主要政策金利)は現行の8.25%に据え置かれそうです。エルドアン大統領が利上げに反対するなかでTCMBが利上げ(1週間物レポ金利の引き上げ)を行うのは困難とみられるからです。

市場では1週間物レポ金利は「据え置き」との見方が有力。一方で、後期流動性貸出金利(*)を現行の11.25%から引き上げるとの観測が市場にはあります。その通りになればリラはいったん値を戻すかもしれません。

*後期流動性貸出金利:本来は金融機関が資金不足を回避するための最終手段として用意された例外的な資金供給金利。

ただ、足もとのリラ安の一因として、トルコの実質金利(政策金利から前年比のCPI上昇率を引いたもの)が大幅なマイナスになっていることが挙げられます(マイナス3.52%)。1週間物レポ金利が引き上げられなければ、その状況は変化しません。そのため、後期流動性貸出金利が引き上げられたとしても、リラにはいずれ再び下押し圧力が加わる可能性があります。

一方、TCMBが1週間物レポ金利や後期流動性貸出金利のいずれも引き上げなかった場合、リラに対する下押し圧力は一段と強まるとみられ、リラは対米ドルや対円で下がりそうです。

***

本日はまた、BOM(メキシコ中銀)も政策金利を発表します(日本時間25日03:00)。その結果がペソの動向に影響を与える可能性があります。

新型コロナウイルスの影響によってメキシコ景気が大きく落ち込む(4-6月期のGDP成長率は前期比マイナス17.1%)一方、8月CPI(消費者物価指数)は前年比4.05%と、2019年5月以来の高い伸びを記録しました。

景気の悪化とインフレ圧力の高まりの中で、BOMは難しい政策判断を迫られそうです。「据え置く」ことも考えられますが、今回も利下げを行う可能性の方が高いとみられます。ただし、利下げ幅はこれまでの0.50%(前回8月まで5会合連続で0.50%)から縮小し0.25%になりそうです。利下げが決定されればメキシコペソは下落する可能性があります。ただ、その場合でも利下げは今回で打ち止めとの観測が市場で高まる場合、ペソの下落は一時的に終わるかもしれません。一方、政策金利が据え置かれればペソは上昇しそうです。

※ メキシコペソ/円のテクニカル分析については、本日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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