(AM) 英ポンド:英国内市場法案の審議開始

2020/09/14 09:21

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・国内市場法案をめぐり英国とEUが対立。国内市場法案が成立すれば、「(主に貿易面での)合意なき離脱」が現実味!?
・日米金融政策会合を控え、米ドル/円は方向感の乏しい展開が継続か

(欧米市場レビュー)

11日の欧米時間の外為市場では、ユーロが底堅く推移。一時、ユーロ/米ドルは1.18711米ドル、ユーロ/円は126.079円へと上昇しました。ビルロワドガロー仏中銀総裁が「為替相場の動向を注意深く見守る」と述べ、ユーロ高に懸念を示さなかったことが、ユーロの支援材料となりました。ただその後、ユーロ/米ドルやユーロ/円は上げ幅を縮小。週末ということもあり、ポジション調整が中心とみられます。

英ポンドは軟調。一時、英ポンド/米ドルは1.27588米ドル、英ポンド/円は135.542円へと下落しました。英国とEU(欧州連合)がFTA(自由貿易協定)を締結できないまま移行期間(12月末まで)が終了し、「(主に貿易面での)合意なき離脱」に陥るとの懸念が引き続き、英ポンドの重石となりました。

格付け会社のムーディーズは、トルコの格付けを「B1」から「B2」へと1段階引き下げると発表。格付け見通しは「ネガティブ(弱含み)」を維持しました。「B2」は投資適格級最低の「Baa3」から5つ下です。

(本日の相場見通し)

英政府は9日、EU離脱協定(今年1月末に発効)の一部を無効化する「国内市場法案」を提出しました。それに対して欧州委員会は10日、国内市場法案を9月末までに撤回するように英政府に要求。ドナフー・ユーログループ(ユーロ圏非公式財務相会合)議長は11日、「EUとFTA(自由貿易協定)を締結したいなら、英国は離脱協定を順守する必要がある」と述べました。

一方、ジョンソン英首相はEUの要求を拒否し、国内市場法案の成立を目指す考え。本日14日から英下院で審議が始まる予定です(法案の成立は上下両院の可決が必要)。

英ポンドは、国内市場法案をめぐる報道や各国当局者の発言に反応しやすいとみられます。英国とEUの対立が激化し、12月末の移行期間終了後の「(主に貿易面での)合意なき離脱」が一段と現実味を帯びてくれば、英ポンドに対して下押し圧力が加わる可能性があります。

***

米ドル/円は約2週間にわたって105円台半ば~106円台半ばで上下動を繰り返しており、方向感を失っています。今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)が15-16日、日銀金融政策決定会合が16-17日にあります。日米の金融政策会合を控え、米ドル/円は引き続き方向感の乏しい展開になりそうです。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日14日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

本日午後、自民党総裁選の投開票が行われます。菅官房長官が新総裁に選出されれば、市場に大きな反応はなさそうです。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


topへ