(AM) ECB理事会、英国とEUのFTA交渉に注目!!

2020/09/10 09:26

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・ECB(欧州中銀)は「追加緩和を示唆するか否か」、「ユーロ高に懸念を示すか否か」
・英国とEUのFTA(自由貿易協定)交渉が進展するかどうか

(欧米市場レビュー)

9日の欧米時間の外為市場では、米ドルが反落。一時、ユーロ/米ドルは1.18319米ドル、ユーロ/円は125.601円、豪ドル/米ドルは0.72839米ドル、豪ドル/円は77.362円へと上昇。NYダウが堅調に推移したことでリスク回避の動きが後退し、米ドルや円の重石となりました。NYダウの終値は、前日比439.58ドル高の27940.47ドルでした。

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BOC(カナダ中銀)は金融政策の現状維持を決定。政策金利(0.25%)と量的緩和の規模(カナダ国債を週間で少なくとも50億カナダドル購入)のいずれも据え置きました。

声明では、「7-9月期の(カナダの)経済活動の回復は、7月に予想していたよりも速い」との見方を示す一方、「回復の局面は緩慢で不安定になる」と指摘。カナダドル高に関しては言及されませんでした。

声明は「経済が(活動)再開から回復へと移行する中で、金融政策による大規模な支援が引き続き必要になる」と強調。政策金利については「2%のインフレ目標が持続的に達成されるまで据え置く」との方針を維持しました。量的緩和策については「景気回復が完全に軌道に乗るまで維持する」とし、「景気を下支えし、かつインフレ目標を達成するために必要な刺激を提供するように調整する」と表明。将来的に変更する可能性があることを示しました。

BOCの声明発表後、カナダドルが堅調に推移しました。声明で「7-9月期の(カナダの)経済活動の回復は、7月に予想していたよりも速い」との見方が示されたことや、カナダドル高に懸念が示されなかったためと考えられます。

※ カナダドル/円のテクニカル分析については、本日の『テクニカル・ポイント』をご参照ください。

(本日の相場見通し)

本日(10日)、ECB(欧州中銀)理事会が開催されます。その結果(日本時間20:45発表)やラガルドECB総裁の会見(同21:30開始)にユーロが反応しそうです。

金融政策は現状維持の可能性が高いとみられます。その通りになれば、ラガルド総裁の会見で「追加緩和が示唆されるか」や「ユーロ高に懸念が示されるのか」が焦点になりそうです。レーンECB専務理事は1日、「(為替レートを目標にはしていないが、)ユーロ/米ドルは重要だ」と語りました。ラガルド総裁は会見でユーロ高やそれが与える悪影響について懸念を示す可能性があります。その場合、ユーロが軟調に推移しそうです。目先の下値メドとして、ユーロ/米ドル1.16947米ドル(8/3安値)、ユーロ/円124.250円(8/11安値)が挙げられます。

英国とEU(欧州連合)のFTA(自由貿易協定)交渉にも注目です。英政府は9日、EU離脱協定の一部を無効化する法案を提出しました(離脱協定は昨年10月にEUと合意し、今年1月に発効)。これに対し、フォンデアライエン欧州委員長は「国際法に反するもので信頼の喪失につながる」と指摘。交渉においてEU側は態度を硬化させる可能性があります。

市場では、「12月末の移行期間終了までにFTAを締結できずに“(主に貿易面での)合意なき離脱”になる」との懸念があります。FTA交渉に進展がみられなければ、その懸念が一段と強まり、英ポンドに対して下押し圧力が加わる可能性があります。

※ユーロと英ポンドの状況については、本日のファンダメ・ポイント「欧州通貨事情(英ポンド・アップデート)」をご参照ください。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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