(AM) トルコリラ:再び最安値を更新する可能性も・・・

2020/08/10 09:33

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・主要国株価や米長期金利の動向が材料になりそう
・トランプ米大統領はコロナ追加経済対策の大統領令に署名。民主党は反発
・トルコリラ安に歯止めをかけるためには、TCMB(トルコ中銀)の利上げが必要か

(欧米市場レビュー)

7日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は106.014円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.17541米ドル、豪ドル/米ドルは0.71437米ドルへと下落しました。米国の7月雇用統計が市場予想と比べて良好な結果となり、米ドルの支援材料となりました。雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比176.3万人増、失業率が10.2%。市場予想はそれぞれ158.0万人増、10.5%でした。

※米雇用統計については、7日の『ファンダメ・ポイント(【速報】7月の米雇用統計、雇用回復の足取りは遅い!?)』にて詳しく解説していますので、ご覧ください。

トルコリラは、対米ドルや対円で過去最安値を更新(リラ/円は一時、14.193円へと下落)しました。その後、TCMB(トルコ中銀)が「オペ(公開市場操作)におけるプライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)への資金供給の上限を10日から現在の半分に減らす」と発表したことで、リラは反発しました。

(本日の相場見通し)

本日(10日)の東京時間は、日本が祝日のため様子見ムードが強まり、比較的落ち着いた値動きになりそうです。中国の消費者物価指数や生産者物価指数(いずれも7月分)が発表されるものの、材料として力不足かもしれません。ただ、市場参加者が通常よりも減少して流動性が低下する分、突発的なニュースが出てきた場合には値動きが増幅される可能性があるため注意が必要です。

欧米時間は、主要国の株価(NYダウなど)米国の長期金利(10年債利回り)の動向が材料になりそうです。株価が堅調に推移すれば、リスク回避の動きが後退して米ドルや円が軟調に推移する可能性があります。また、米長期金利の低下は米ドルにとってマイナス材料です。

トランプ米大統領は8日、新型コロナウイルスの追加経済対策の大統領令に署名しました。追加経済対策は議会の承認を経ていないため、民主党(野党)は「大統領令は無効」と反発。トランプ政権と民主党は協議を続ける方針ですが、法案が成立する見通しは立っていません。※詳しくは、本日10日の『ファンダメ・ポイント』をご覧ください。

米国の追加経済対策の遅れが市場で意識された場合、米ドルに対して下押し圧力が加わる可能性があります。

米ドル/円の目先のメドとして、下値が105.303円(8/6安値)、上値は106.431円(8/3高値)が挙げられます。

***

トルコリラは7日に過去最安値を更新したものの、TCMBの発表を受けていったん反発しました。ただ、トルコのインフレ率(7月の消費者物価指数上昇率は前年比11.76%)は非常に高いうえ、足もとのリラ安によってインフレ圧力は今後一段と高まる可能性があります。リラ安に歯止めをかけるためにはTCMBの利上げが必要と考えられます。今後、市場で利上げを催促する動き(一段のリラ売り)が強まれば、リラ/円は最安値(14.193円)を更新するかもしれません。


執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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