(AM) トルコリラ:対ユーロで最安値を記録。対円も最安値が視野に!?

2020/07/30 09:17

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米FRBは低金利政策の長期間継続を示唆。米GDP(30日発表)が市場予想以上のマイナスになれば、米ドルは上値が一段と重くなりそう
・市場では、外貨準備高の減少によってトルコ当局はリラ買い介入が困難になりつつあるとの見方

(欧米市場レビュー)

29日欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は104.775円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.18030米ドル、豪ドル/米ドルは0.71951米ドルへと上昇。米ドル/円は4カ月半ぶりの安値、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルはそれぞれ約1年10カ月ぶり、約1年3カ月ぶりの高値を記録しました。FOMC(米連邦公開市場委員会)が低金利政策を長期間にわたって継続することを改めて示唆し、米ドルの重石となりました。

※FOMCについての詳細は、本日30日の『ファンダメ・ポイント』をご覧ください。

トルコリラは下落。対ユーロで最安値をつけ、対米ドルで約2カ月半ぶりの安値を記録、対円(トルコリラ/円)では一時14.896円へと値を下げました(最安値は14.590円)。外貨準備の減少によってトルコ当局はリラの買い支えが困難になりつつあるとの観測、EU(欧州連合)が対トルコ制裁を強化するとの懸念、それらが引き続きリラに対する下押し圧力となりました。また、トルコ議会が29日にSNS(ソーシャルメディア)への規制を強化する法律を可決し、それもリラの重石となりました。

(本日の相場見通し)

FRB(米連邦準備理事会)は29日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、政策金利を0-0.25%に据え置くことを決定。声明では、「雇用最大化と物価安定の目標を達成する軌道に乗ったと確信するまで、政策金利の誘導目標レンジを維持する」と表明しました。

FRBが低金利政策を長期間にわたって継続することを示唆したことは、米ドルの重石となりそうです。

本日(30日)、米国の4-6月期GDP(国内総生産)が発表されます。市場予想は前期比年率マイナス34.5%と、新型コロナウイルスの影響によって大幅なマイナス成長になったとみられています。

GDPの結果が市場予想以上のマイナスになれば、米景気をめぐる懸念が強まり、米ドルは上値が一段と重くなりそうです。米ドル/円104.399円(3/13安値)に向けて下がる可能性があります。

※米ドル/円のテクニカル分析については、本日30日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

***

米ドル/トルコリラは5月半ば以降、おおむね6.68~6.88リラで上下動を繰り返し、比較的安定していました。大幅なマイナスのトルコの実質金利(政策金利から前年比の消費者物価指数上昇率を引いたもの)、TCMB(トルコ中銀)の外貨準備高の減少などを背景に、トルコリラに対して下押し圧力が加わる一方、トルコ当局は国営銀行を通じてリラを買い支えていたとみられます。

それが7月27日に米ドル/トルコリラは6.9リラ台へと上昇し、29日には一時7.0リラ台に乗せました(米ドル高/リラ安の進行)。市場はそれを“トルコ当局によるリラの買い支えが困難になりつつあることの兆候”と見なしているようです。年初に約800億米ドルあったTCMBの外貨準備高は足もとで500億米ドル程度へと減少しています。外貨準備は、自国通貨買い介入(トルコの場合はリラ買い介入)の原資となります。

市場は今後、トルコ当局のリラ買い介入の余力を試す動きとなり、リラに対する下押し圧力は一段と強まるかもしれません。リラ/円は米ドル/円の動向の影響も受けますが、14.590円(最安値、5/7)を割り込む可能性があります。


執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


topへ