(AM) 日銀が臨時会合開催の報道で円が全面安の展開

2020/05/20 09:23

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・日銀は22日に臨時会合を開くと発表。会合では新たな資金供給策を決定か
・新型コロナウイルスのワクチンに関する報道が出てくれば、株式市場や外為市場が反応する可能性あり
・米FOMC議事録ではFRBの金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供されるかに注目

(欧米市場レビュー)

19日欧米時間の外為市場では、が軟調に推移。一時、米ドル/円は108.047円、ユーロ/円は118.148円、豪ドル/円は70.940円、NZドル/円は65.888円へと上昇しました。日銀が「22日午前9時より臨時会合を開く」と発表し、円安材料となりました。日銀は臨時会合で「金融機関への新たな資金供給手段に関する検討結果の報告を受け、必要な金融調節事項を検討する」としています。

トルコリラは堅調。一時、対米ドルで4月13日以来の高値を記録し、対円(リラ/円)では15.894円へと上昇し4月14日以来の高値をつけました。通貨スワップ協定の締結への期待が引き続きリラの支援材料となりました。トルコは日本や英国と二国間通貨スワップ枠の設定を交渉しており、またカタールと中国とは既存のスワップ枠の拡大を協議しています。

(本日の相場見通し)

日銀は22日に臨時会合を開き、中小企業の支援に向けて金融機関を通じた新たな資金供給策について協議します。新たな資金供給策が決定されるとの観測が引き続き円の重石となり、米ドル/円やクロス円は底堅く推移する可能性があります。

※日銀臨時会合については、本日20日の『ファンダメ・ポイント(日銀が22日に臨時会合開催、何が出てくる?)』をご覧ください。

一方で、NYダウの動向にも目を向ける必要がありそうです。ダウは19日に反落。前日比390.51ドル安の24206.86ドルで取引を終えました。医科学メディアのSTAT(スタット)は19日、専門家の話として「米モデルナ(バイオ製薬大手)が開発中の新型コロナウイルスのワクチンの初期段階の小規模臨床試験は、(ワクチンの)有効性を示すにはデータが不十分」と報道。それがダウに対する下押し圧力となりました。モデルナは18日に「新型コロナウイルスのワクチンが初期の臨床試験で有望な結果を示した」と発表していました。ワクチンに関して新たな報道が出てくれば、ダウが反応する可能性があります。ダウの上昇は円安や米ドル安の要因、ダウの下落は円高や米ドル高の要因となり得ます。

日足チャートをみると、米ドル/円は約1カ月間にわたり、おおむね106~108円のレンジで上下動を繰り返してきました。また、200日移動平均線が108.268円水準(5/19時点)に位置しています。108円では利益確定売り(米ドル売り/円買い)が出やすいとみられ、上値が重くなる可能性があります。

本日、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表されます(日本時間では21日03:00)。今回の議事録は、金融政策の現状維持を決定した4月28~29日開催分です。パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長はこれまで「米経済の回復プロセスは2021年の終わりまでかかる可能性がある」との見方を示す一方、パウエル議長らFRB当局者はマイナス金利の導入には否定的な姿勢を示しています。FOMC議事録ではそれらの見方や姿勢が改めて示されるとみられます。FRBの金融政策の先行きについて新たな材料が提供されなければ、市場に大きな反応はみられないかもしれません。


執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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