(AM) 英EUの通商交渉は物別れ。英ポンドが下落

2020/05/18 09:20

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・英EUは3回目の通商交渉を行ったものの、ほとんど進展しなかったもよう
・英中銀政策委員はマイナス金利導入の可能性に言及
・米ドル/円は106~108円の動きが当面続きそう。各国の経済活動再開が米ドル/円の下値を支える一方、米中対立への懸念が重石

(欧米市場レビュー)

15日欧米時間の外為市場では、英ポンドが下落。一時、ポンド/米ドルは1.21017米ドル、ポンド/円は129.652円へと値下がりしました。英国とEU(欧州連合)の通商交渉が難航するとの懸念がポンドに対する下押し圧力となりました(後述)。

トルコリラは堅調。一時、対円(リラ/円)で15.502円へと上昇し4月23日以来、対米ドルで4月20日以来の高値をつけました。14日の「トルコ財務省とTCMB(トルコ中銀)当局者は最近、日本と英国の財務省・中銀の当局者と二国間通貨スワップ枠の設定について協議し、またカタールと中国とは既存のスワップ枠の拡大を話し合った」との報道がリラの支援材料となりました。トルコの外貨準備高は減少しており、トルコ当局はリラの下支え(外貨売り/リラ買い)が困難になるとの懸念が市場ではあります。

(本日の相場見通し)

英国とEU(欧州連合)は11~15日に3回目の通商交渉を行ったものの、交渉は物別れに終わりました。通商交渉について、フロスト英首相顧問(英国側の交渉担当者)は「(交渉は)ほとんど進展がなかった」と述べ、バルニエEU(欧州連合)主席交渉官は「楽観視していない」と語りました。これを受けて、両者の通商交渉は難航するとの懸念が市場で高まりました。

週末に英ポンドのさらなる重石となり得る材料が新たに出てきました。ホールデンBOE(英中銀)政策委員が16日の英テレグラフ紙とのインタビューで、「マイナス金利(の導入)を検討する必要があり、また債券購入の拡大など他の選択肢もある」と述べ、マイナス金利導入の可能性に言及したことです。

英ポンドは上値の重い展開が想定され、ポンド/米ドルは心理的節目である1.20000米ドル割れを試すかもしれません。

※英ポンド/米ドルのテクニカル分析については、本日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

米ドル/円は約1カ月間にわたり、おおむね106~108円のレンジで上下動を繰り返しており、この状況は当面続きそうです。欧米などで経済活動が再開され始めていることが米ドル/円の下値を支えるとみられる一方、米中対立への懸念が米ドル/円の上値を抑えると考えられます。

米中対立については、トランプ米大統領は4月30日、“新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は中国に責任がある”として対中追加関税の引き上げに言及。また、米商務省は15日にファーウェイ(中国の通信機器最大手)に対する輸出禁止措置を強化しました。一方、中国商務省は17日、米国に対して輸出禁止措置の撤回を求めるとともに、「ファーウェイの権利と利益を守るために必要な措置を講じる」と表明し、対抗措置を示唆しました。


執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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