(AM) 原油価格が約18年ぶりの安値

2020/03/31 08:48

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・31日発表の米経済指標で米景気の先行き懸念が一段と高まれば、米ドル安が進む可能性も
・原油安を背景に、カナダドルやメキシコペソに対して下押し圧力。原油価格の動向に注目

(欧米市場レビュー)

3月30日欧米時間の外為市場では、ユーロが軟調に推移。一時、ユーロ/米ドルは1.10085米ドル、ユーロ/円は118.801円へと下落しました。ポジション調整(=保有する持ち高を減らす目的で決済すること)が中心とみられます。

カナダドルメキシコペソも弱含み。原油価格の下落が下押し圧力となり、カナダドル/円は75.899円、メキシコペソ/円は4.387円へと値を下げる場面がありました。

(本日の相場見通し)

本日(31日)、中国の3月製造業PMI(購買担当者景気指数)が発表されます(日本時間10:00)。2月の製造業PMIは35.7と、新型コロナウイルスの影響によって過去最低を記録。3月の市場予想は45.0と、2月から改善するものの、製造業活動の拡大・縮小の分かれ目とされる“50”を引き続き下回るとみられています。市場予想と大きく異なる結果になれば、市場が反応する可能性があり、反応は豪ドルNZドルで顕著になりそうです(豪州やNZは中国と経済的な結びつきが強いため)。

本日はまた、米国の3月シカゴ購買部協会景気指数消費者信頼感指数が発表されます(日本時間22:45、23:00)。市場予想はそれぞれ40.0、110.0と、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、いずれも2月(49.0、130.7)から大幅に悪化するとみられています。両指数が市場予想を大きく下回った場合、米国景気をめぐる懸念が一段と強まり、米ドル安が進む可能性があります。米ドル/円は目先、107.046円(3/30安値)が下値メドになりそうです。

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原油価格の代表的な指標である米WTI原油先物は3月30日、1.42ドル(6.6%)安の1バレル=20.09ドルで取引を終了。2002年2月以来、18年ぶりの安値を記録しました。トランプ米大統領は29日、国民に求めている「行動制限を4月末まで続ける」と発表。米国の経済活動の停滞が長引くことによって原油需要が落ち込むとの懸念が高まり、原油価格の重石となりました。

また、サウジアラビアとロシアは市場シェアの拡大に向けて増産へと動いており、それも原油価格に対する下押し圧力となっています。

カナダやメキシコは原油を輸出しているため、カナダドルメキシコペソにとって原油安はマイナス材料です。原油価格が一段と下落した場合、両通貨は軟調さを増す可能性があります。カナダドル/円73.704円(3/18安値)、メキシコペソ/円4.331円(3/24安値)が目先の下値メドになりそうです。

*メキシコペソ/円のテクニカル分析は、本日31日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。


(出所:リフィニティブより作成)

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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